説明

ジスルフィドおよびチオスルフィネート化合物の調製工程

式( I ):R1−S(O)−S(O)−R2に対応する化合物であって、式(II):R1−S(O)−R3−Si(R4)(R5)(R6)の化合物であることを特徴とし、式(VII):R2−S(O)−Xの化合物と反応することを特徴とする、調製工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は混合および対称的なジスルフィド化合物の調製および、間接的には、これらのジスルフィドの簡便な還元の後の、対応するチオールの調製に関する。また、同様の原理によるチオスルフィネートの調製および特に対称的なチオスルフィネートにも関する。
【背景技術】
【0002】
ジスルフィドは有機合成において重要な反応中間体である。それらは、例えば、パラジウムによる付加触媒との関連で反応物として用いることができ(Kuniyasu等のJ.Am.Chem.Soc., 1991, 113, 9796)、水銀塩の存在下でスルフェンアミドを生じる方法に利用でき(Davis等のJ.Org.Chem., 1977, 42, 967)、またはエノラートの求電子性のスルフェニル化剤にも用いることができる(Bischoff等のJ.Org.Chem., 1997, 62, 4848)。
【0003】
さらに、可逆的なジスルフィド−チオール酸化還元変化は多くの生理学的な調節機構、特にタンパク質において中心的な役割を果たす(Xiao等のJ.Biol.Chem., 2005, 280, 21099)。1または複数のジスルフィド官能基からなる多くの分子がこのような高い有利な生物活性を示す:例えば、ガーリック酸は抗癌特性を有し(Block, EのAngew.Chem.Int. Ed., 1992, 31, 1135)、モウロトキシンはKイオン膜に作用する(Kharrat等のFEBS Letters, 1997, 284)。
【0004】
またさらに、容易にセル内で減少するジスルフィドの能力により、S−S結合は「プロドラッグ」への適用の関連でよく用いられる(Kyung Ryu等のBiorg.Med.Chem., 2004, 12, 859;Vrudhula等のBioorg.Med.Chem.Lett., 2002, 12, 3591)。ターゲットに到達することを許容するベクターを伴う生物活性基との結合を可能にし、ジスルフィド官能基の生体内での減少により、2つのパートナーを引き続き分離することができる(例えば、Liu等のProc.Natl.Acad.Sci.USA., 1996, 93, 8618)。
【0005】
チオール官能基およびジスルフィド官能基は化学および生物学において、主要な用途を有する。
【0006】
従って、それらはペプチド合成や共役ペプチドの合成に有利である。
【0007】
それらは核酸の分野で特に重要であって、ChambertやDecout(Org.Prep.Proc.Int., 2002, 34, 27−85)の総説で説明されている。
【0008】
従って、抗ウイルスおよび/または抗癌の生物学特性を有する核酸の生合成に関する酵素の基質の類似物としてのチオヌクレオシドの最近の開発では、ヌクレオシド上への混合ジスルフィド官能基の導入の重要性が実証されている。メチルジスルフィドの形で保護されたチオール官能基は、このように生体内で減少することができ、ヌクレオシドの活性体を生じる。このin situ放出での「プロドラッグ」への適用は、あまり安定していないフリーチオールの分解の回避を可能にする(空気中で迅速に酸化し、対称的なジスルフィドおよび/または脱グリコシルによる分子内の分解を生じる)(B.Roy等のJ.Med.Chem., 2003, 46, 2565)。活性体中のヌクレオシドは、標的酵素とリン酸化反応をした後、引き続いて相互作用できる。
【0009】
一方、対称的なジスルフィドの合成は同一のチオールの2つの分子の酸化カップリングによりシンプルに実施でき、混合ジスルフィドの調製は対称的なジスルフィドからなる混合物の生成により、有機合成は困難なままである。一般的に、スルフェニル剤は、所望のジスルフィドを得るために、最初のチオールと反応し、続いて2番目のチオールによる求核置換反応により置き換えられる。多くの合成経路は、次いで多種多様の可能なスルフェニル剤に起因して想定される。
【0010】
後者は次のタイプになり得る:N-トリフルオロアセチルアレンスルフェンアミド(Bao等のTetrahedron, 2003, 9655)、ジチオペルオキシ酸エステル(Lereverend等のSynthesis, 1994, 761)、スルフェニルチオ炭酸塩(Brois等のJ.Am.Chem.Soc., 1970, 92, 7629)、スルフェニルヒドラジン(Mukaiayama 等のTetrahedron Lett., 1968, 5907)、2,2’−ジチオピリジルジスルフィドおよびその他(Matsueda等のChem.Lett., 1981, 737;Barton等のJ.Org.Chem., 1991, 56, 6697)および2,2’−ジチオベンゾチアゾールジスルフィド(E.BrzezinskaおよびTernayのJ.Org.Chem., 1994, 59, 8239)。
【0011】
混合ジスルフィドはまたチオールとハロゲン化スルフェニルの反応により得ることができる(KueleのSynthesis,1970,561;KueleのSynthesis, 1971, 563)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、合成および特にヌクレオシド系におけるこれらの様々な方法の使用は、重要な短所(空気中で即座に酸化するために不安定なチオール官能基の使用であって対称的なジスルフィドとなる。)に直面する。この官能基はまた高い反応性を有し、多機能な化合物の場合、問題を生ずる。ヌクレオシド系では、チオール官能基の導入は、保護方法の償還およびアルコールおよびアミン官能基の脱保護を必要とする。さらに、運ばれた官能基の不安程さは、例えば、ヌクレオシドの2’位において実証されている(Johnson等のTetrahedron, 1995, 51, 5093)。
【0013】
Funchsのグループ(Anderson等のJ.Org.Chem., 1988, 53, 3125)の研究の後、Chambert等(J.Og.Chem., 2000, 65, 249)は、式、R−S−S−CH〔Rは、ヌクレオシドを示す。〕のメチルジスルフィドを合成するための方法を提案し、それは不安定なヌクレオシドチオールが通過するのを回避する。この方法は、非常に安定なスルフィド中間体化合物である、
式、
R−S−CH−CH−Si(CH
の2−(トリメチルシリル)エチルスルフィドの調製からなる。そのような中間体は、2−(トリメチルシリル)エタンチオールの反応で(ラボで容易に大量に調製できる(StammのJ.Org.Chem., 1963, 3264))または、トリメチルビニルシランとチオールのラジカル反応(Mahadevan等のSynth.Commun., 1994, 3099)により形成され得る。最初に言及した方法により得られたヌクレオシド系、中間体2−(トリメチルシリル)エチルスルフィドは、対応するメチルジスルフィドを得るために続いてジメチル(メチルチオ)スルフォニウム テトラフルオロホウ酸塩と反応する。発明者はこのように2’-デオキシウリジン、2’-デオキシシチジンおよび3’-デオキシチミジンの2’−メチルジスルフィドをそれぞれ調製した。
【0014】
より最近では、S.Chambert等の(J.Org.Chem., 2002, 67, 1898−1904)紙面上で、同一の発明者がチオシアン酸塩の調製における、上述の中間体2−(トリメチルシリル)エチルスルフィドの優位性(特に、メタノールと臭化シアンの反応におけるヌクレオシド チオシアン酸塩)を実証した。これらの研究中に、発明者はまたジクロロメタン中で実施した場合に、
式、
R−S−S−R〔Rは、2’位が置換された2’−デオキシウリジンを示す。〕
の対称的なジスルフィドに対応するこの同様の反応を見出した。
【0015】
式、
R-S-CH-CH-Si(CH
の2-(トリメチルシリル)エチルスルフィドがメチルジスルフィドの合成中での中間体を決定する構成要素となることが、これらの研究から明らかになった。
【0016】
Chambert等による合成経路を用い、ヌクレオシドのアルコールおよびアミン官能基の保護に頼らずに、混合メチル ヌクレオシド ジスルフィドの選択的な接近を可能とした。しかしながら、「プロドラッグ」への適用の関連では、最初のヌクレオシド成分およびを2番目のベクター チオール官能基および/または生物活性成分を運ぶ2番目の成分が組み合わされたジスルフィドを合成できることは有利である。新規な混合ジスルフィドを利用する方法は潜在的活性分子の範囲を豊かにすることが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の発明者は、前記2−(トリメチルシリル)エチルスルフィドが、多くの混合または対称的なジスルフィドの合成のための出発点だけでなくチオスルフィネート化合物の合成のための出発点となれることを見出した。
【0018】
後者は混合または対称的なジスルフィドの酸化(Colonna等のEur.J.Org.Chem., 2005, 1727;Liu等のJ.Am.Chem.Soc., 1997, 117, 9913)、またはジスルフィドがジアルコキシアリルまたはプロパルギルタイプである場合は、[2,3]−シグマトロピー転移(Bravermen等のTetrahedron Lett., 2004, 45, 8235)により得ることができる。同様に、ベンセンスルフィニルアジドおよび種々のチオール間での反応は、チオスルフィネートの調製という結果をもたらし(Maricich等のJ.Org.Chem., 1984, 49, 1931)、またアルケンスルフィネートアニオンとハロゲン化トリメチルシリルとの反応も同様である(Refvik等のCan.J.Chem., 1998, 76, 213)。
【0019】
チオスルフィネートはジスルフィド、スルフィン酸、スルホキシドおよびチオ硫酸塩をもたらすことができる(LacombeのReviews Heteroatom.Chem., 1999, 21, 1)。官能基がヌクレオシド系における糖類により運ばれた場合、それらは2つのエナンチオマーまたは2つのジアステレオ異性体で存在する。これらはまた、このように、不斉合成において有利な中間体である(例、Liu等のJ.Org.Chem., 1997, 119, 9913参照)。さらに、それらのうちのいくつかは有利な生物学特性を有する天然物である;例えば、それら抗菌性および/または抗炎症活性を示す(Whitmore等のNat.Food Antimicrob.Syst., 2000, 349)。
【0020】
本発明の主目的は、
一般式( I ):R1−S(O)−S(O)−R2
[式中、
R1は、
一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示し;
R2は、
R1とは独立し、炭素基または一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなり、またxとyはxとyの合計が1に等しくなるような0および1から選ばれる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示す。〕
に対応する化合物の調製工程である。
【0021】
発明者らは本発明の主目的を形成する反応条件を見出し、
一般式(II):R1-S(O)-R3-Si(R4)(R5)(R6)
(x=0ではIIa、x=1ではIIb)
[式中、
R3は、
飽和、および/または不飽和、および/または置換された2つの炭素原子の炭化水素鎖を示す。]
特に以下に示す全ての化合物の基:
(II)R1−S−S−R2
(x=y=0である式( I )の混合ジスルフィド化合物)
(IV)R1−S−SO−R2
(x=0、y=1である式( I )のチオスルフィネート化合物)
( V )R1−SO−S−R2
(x=1、y=0である式( I )のチオスルフィネート化合物)
(VI)R1−S−S−R1
(対称的なジスルフィド化合物)
[ここで、式(III)、(IV)、( V )および(VI)のR1、R2は上記定義と同様である。]
を包含する一般式( I )の化合物の中間体化合物から開始して得ることができることを見出した。
【0022】
従って、本発明の主目的は、上記で定義した
式( I ):R1−S(O)−S(O)−R2

式(II): R1−S(O)−R3−Si(R4)(R5)(R6)
〔式中、
R3は、
飽和、および/または不飽和、および/または置換された2つの炭素原子の炭化水素鎖を示し、
R4、R5およびR6は、
同一または異なって、それぞれ、互いに独立して、炭化水素基を示す。〕
であって、
式(VII):R2−S(O)−X(Xはハロゲンを示す。)
[R2およびYは上記定義と同様である(y=0の場合VIIa、y=1の場合VIIb)。]
の化合物と反応する、化合物の調製工程である。
【0023】
本工程によると、本発明では、
式(VIIa):R2−S−X
、R1およびR2(対称的なジスルフィドを得るためには同一で、混合ジスルフィドの構造を得るためには異なって)
の化合物を伴う
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物の反応により
式(III):R1−S−S−R2
のジスルフィドをこのように得ることが可能である。
【0024】
本工程によると、本発明ではまた、
式(VIIb):R2−SO−X
のハロゲン化スルフィニルを伴う
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物の反応による
式(IV):R1−S−SO−R2
のチオスルフィネートを得ることも可能である。
【0025】
本発明の工程は以下に示す、
式(IIb):R1−SO―R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物を得るために、
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物を酸化させ、次いで、
式(IIb):R1−SO―R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物と
式(VIIa):R2−S−X
のハロゲン化スルフェニルが反応する、
式( V ):R1−SO−S−R2
のチオスルフィネートを得ることもまた可能にする。
【0026】
本発明の工程中に関わる反応および得ることができる式( I )の種々の化合物を下記の化合物(IIa)
[式中、
R3は、
−CH−CH
を示し、
R4、R5およびR6は、
それぞれ
CH
を示す(R3、R4、R5およびR6の基の本発明における範囲は限定されない)。]
からの開始で説明する。
【0027】
本発明によると、上記式(III)の混合ジスルフィドを得るためには、
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物を
式(VIIa)
R2−S−X
の化合物と反応させる。
【0028】
【化1】

【0029】
本発明によると、式(IV)のチオスルフィネートを調製するために、
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物を
式(VIIb):R2−SO−X
の化合物と反応させる。以下に、化合物(IIa)
[式中、
R3は、
エチルを示し、
R4、R5およびR6はそれぞれメチルを示す。]
から開始する反応を示す。
【0030】
【化2】

【0031】
式( V )のチオスルフィネートは、
式(VIIa):R2−S−X
の化合物を伴う、
式(IIb):R1−SO―R3−Si(R4)(R5)(R6)
(化合物(IIb)は式(IIa)の化合物を酸化することにより得られる。)
の化合物が反応することによってもまた得られる。
【0032】
【化3】

【0033】
有利には、化合物(VIIa)または(VIIb)を伴う化合物(IIa)の反応は、それぞれ混合ジスルフィド(III)の調製およびチオスルフィネート(IV)を調製するためであり、化合物(VIIa)を伴う化合物(IIb)の反応は、チオスルフィネート( V )を得るためであり、フッ化物イオンの存在下で、好ましくは触媒量で実施され得る。フッ化物イオンは好ましくはフッ化アンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化トリエチルアンモニウムまたはそれらの混合物である。
【0034】
式(IIa)の同じ中間体から開始して、発明者らは式(III)の混合ジスルフィドの調製において、X2(Xはハロゲンを示す。)またはXCNの存在下、
中間体(IIa)および
式(VIII):R2−S−S−R2
の化合物からなる反応中間体中で、
式(VIIa):R2−S−X
がin situで形成され得ることを見出した。中間体(IIa)は次いで、このように形成された化合物(VIIa)と反応し、混合ジスルフィド(III)をもたらす。in situでのこの化合物(IIa)と化合物(VIIa)の反応は、フッ化物イオンの存在下で有利に実施できる。後者はフッ化アンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化トリエチルアンモニウムまたはそれらの混合物で対応でき、またそれらは好ましくは触媒量である。
【0035】
【化4】

【0036】
同様に、式(VI)の対称的なジスルフィドの調製は、Xまたはハロゲン化シアンの存在下、化合物(IIa)から開始して実施できる。この反応は、フッ化物イオンの存在下で有利に実施できる。後者はフッ化アンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化トリエチルアンモニウムまたはそれらの混合物で対応でき、またそれらは好ましくは触媒量である。
【0037】
【化5】

【0038】
本発明はまた
式(III’):R1−S−S−R2’
に対応する化合物であって、
〔式中、
R1は、
一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示し;
R2’は、
R1とは独立し、炭素基または一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示す。〕
に対応する化合物であって、
化合物(III)が上記に定義した発明の工程により得られ、次いで化合物(III)が
式:R2’−SH
の化合物と反応することを特徴とする、調製工程に関する。
【0039】
より詳細に記載し、発明の様々な主要な目的を説明する前に、本発明の工程に関する化合物および本発明により得られる化合物のR1−R6の基を以下に、より詳細に定義し、発明の範囲を逸脱することなく、以下の定義を、互いに独立して、または互いに組み合わせて考慮する。
【0040】
「分子残渣」の用語は、化学的にまたはその他の方法で修飾されていてもよい生物学上の残渣を意味すると考えられる。従って、R1は本発明において有利にはヌクレオシドまたは修飾されたヌクレオシドから選ばれるヌクレオシド分子残渣を示す。「修飾されたヌクレオシド」の用語は、糖類および/または塩基になされた任意の修飾、特に1種または複数の置換、1種または複数の不飽和または異性体(例、構造異性体)による修飾を意味すると考えられる。従って、R1は2’−デオキシリボヌクレオシド、3’−デオキシリボヌクレオシド、2’,3’−ジデオキシリボヌクレオシド、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロリボヌクレオシドおよびそれらの誘導体から選ばれる分子残渣を示すことができる;R1分子残渣の一例として、2’−デオキシウリジン,2’,3’−ジデオキシウリジン、2’,3’-ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロウリジン、2’−デオキシシチジン、2’,3’−ジデオキシシチジン、2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロシチジン、3’−デオキシチミジン、3’−デオキシ−2’,3’−デヒドロチミジンおよびそれらの誘導体;有利には、R1が2’−デオキシリボヌクレオシド、3’−デオキシリボヌクレオシドおよび2’,3’−ジデオキシリボヌクレオシドから選ばれる分子残渣を示すとき(その際、S原子は2’位で炭素に結合またはヌクレオシドのリボースの3’位で炭素に結合している。)およびR1が2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロリボヌクレオシドから選ばれる分子残渣を示すときである(その際、S原子は2’位で炭素に結合またはリボースの3’位で炭素に結合している。);R1はまた、修飾されていてもよいアミノ酸残渣を示すことができる。
【0041】
R2およびR2’は、有利には、直鎖または分鎖のハロカーボン基または芳香族を示す、NおよびOから選ばれる原子からなる炭化水素分子残渣である。好ましい別の形では、R2が、一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよいアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基から選ばれる炭素基を示す;フッ化物イオンが用いられない場合、R2は次いで好ましくは、o−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基およびトリクロロメチル基から選ばれる。他の形によると、R2は特に上記に定義した分子残渣を示す。それはリボヌクレオシド、2’-デオキシリボヌクレオシド、2’,3’−ジデオキシリボヌクレオシドおよび2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−デヒドロリボヌクレオシドから選ばれ得る。
【0042】
R3は有利には炭素原子数1〜6のアルキル基、さらに好ましくは−CH−CHを示す。
【0043】
R4、R5およびR6は同一または異なって、有利には炭素原子数1〜6からなるアルキル基を示し、例えば、それらの代表的な成分としては以下がある:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチルまたはヘキシル基。好ましくは、R4、R5およびR6は同一であって、メチル基を示す。
【0044】
他の本発明の主目的は、以下の式
R1−SH、
R2−SHおよび
R2’−SH
[式中、
R1は、
一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示し;
R2またはR2’は、
炭素基または一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示す。]
に対応するチオールから選ばれるチオールであって、本発明によるジスルフィドを実施する調製、すなわち、チオール
R1−SH
を得るための、式(III)のジスルフィドまたは、チオール
R2−SH
を得るための、式(VI)のジスルフィドまたは、チオール
R2’−SH
を得るための、式(III’)のジスルフィドであり、R1、R2およびR2’の定義および本発明との関連で上記に定義されている反応条件から選ばれ、このようにして得られたジスルフィドを減少することを特徴とする、調製工程である。
【0045】
他の本発明の主目的は、
式(III):
R1−S−S−R2
[式中、
R1は、
アミノ酸残渣を示す。]
のジスルフィド化合物の合成工程である。本工程は、実施例の記載部分で説明する下記に示す合成スキームによると、硫黄を含むアミノ酸 61をもたらすことができる。
【0046】
【化6】

【0047】
本発明はまた本発明によって得られる新規な化合物に関連する。参照を伴う合成物の調製は後の記載で説明する。
【0048】
従って、ジスルフィドおよびチオスルフィネートの調製における中間体化合物であって、2’,3’−ジデオキシ−3’−(2-(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 35、5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 36−1、2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 46、2’−デオキシ−3’−(o−メシル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 47、5’−o−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 48、N−4−ベンゾイル−3’−(o−メシル)−5’−(o−tert−ブチルジフェニルシリル)-2’-(2-(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 49、1−(3’−(2−(トリメチルシリル))エチルチオ)−β-D-キシロフラノース−1’−イル)チミン 52、2,2’−無水−5’−(o-ベンゾイル)−1−(3’−(2−(トリメチルシリル)エチルチオ)−β-D-キシロフラノース−1’−イル)チミン 53、2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 55から選ばれる、
式(IIa):R1−S−CH−CH−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物に関連する。
【0049】
本発明は、R1が、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド基から選ばれ、R4、R5およびR6が、同一または異なって、それぞれ、互いに独立して、炭化水素基を示すことを特徴とする、ジスルフィドおよびチオスルフィネートの調製における中間体化合物である、
式(IIa):R1−S−CH−CH−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物にも加えて関連する。好ましい化合物は、以下から選ばれる:2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 14、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 54、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 18、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5’−(o−tert−ブチルジフェニルシリル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 50、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 19。
【0050】
他の本発明の主目的は、以下である:式(V)のチオスルフィネートの調製における中間体化合物であって、3’−デオキシ3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジンスルフォキシド 28、2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジンスルフォキシド 32から選ばれる、
式(IIb):R1−SO―R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物。
【0051】
式(III):R1−S−S−R2
の化合物であって、R1は2’または3’−デオキシヌクレオシドまたは2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシド;そのような化合物を以下の化合物によって説明する:
3’−デオキシチミジン−3’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 2、3’−
デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3、2’−デオキ
シウリジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 7、2’-デオキシシチジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 8、2’-デオキシウリジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 9、’−デオキシシチジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 10、2’-デオキシウリジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 11、2’-デオキシシチジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 12、3’−デオキシチミジン−3’−イル プロピル ジスルフィド 13、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 15、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 16、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル 2-ニトロフェニル ジスルフィド 17、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 20、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 21、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イルおよび2−ニトロフェニル ジスルフィド 22、2’,3’−ジデオキシウリジン−3’−イル メチル ジスルフィド 56、2’3’−ジデオキシシチジン−3’−イル メチル ジスルフィド 57、5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシウリジン−3’−イル メチル ジスルフィド 58。
【0052】
式(IV):R1−S−SO−R2
の化合物をチオスルフィネート 25および27により説明する。
【0053】
式( V ):R1−SO−S−R2
の化合物はチオスルフィネート29、30および33aから選ばれる。
【0054】
アリル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 37、3’−デオキシチミジン−3’−イル 2−ヒドロキシエチル ジスルフィド 38、2−アミノエチル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 塩酸塩 39、ブチル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 40、3−デオキシチミジン−3’−イル ヘキシル ジスルフィド 41、3’−デオキシチミジン−3’−イル オクチル ジスルフィド 42、3’−デオキシチミジン−3’−イル 6−ヒドロキシヘキシル ジスルフィド 43から選ばれる、
式(III’):R1−S−S−R2’
の化合物。
【0055】
下記ジスルフィド:
ビス(5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシウリジン−3’−イル) ジスルフィド 36、ビス(2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル) ジスルフィド 45から選ばれる、
式(VI):R1−S−S−R1
の化合物。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
化合物に割り付けた参照を、以下の実施例の部分で再び与え、その中で発明によるこれ
らの化合物の調製を説明する。
【0057】
本発明の主目的を以下の実施例から説明する。これらは、ヌクレオシドジスルフィドま
たはチオスルフィネート化合物の調製に、特に関係するが、これらの本発明の化合物の調
製は限定されず、任意の方法でなされる。
【0058】
[実施例1]:中間体(IIa)およびハロゲン化スルフェニル(VIIa)からの式(III)の混合ジスルフィドの調製
安定したハロゲン化スルフェニルからの混合3’−デオキシチミジン 3’−ジスルフィド 1の調製
【0059】
【化7】

【0060】
安定したハロゲン化スルフェニルからの混合2’−デオキシウリジン 2’−ジスルフィド 7、9、11および混合2’−デオキシシチジン 2’−ジスルフィド 8、10、12の調製
【0061】
【化8】

【0062】
本工程は、アミノ酸を含む硫黄の調製に使用され得る。この選択方法を、化合物60および61の調製についての詳細な説明の実施例分で説明する。
【0063】
[実施例2]:中間体(IIa)およびin situで形成されるハロゲン化スルフェニル(VIIa)からの式(III)の混合ジスルフィドの調製
臭素(Br2) または臭化シアンの存在下、プロピルジスルフィド(VIII)からin situで形成されたハロゲン化スルフェニル(VIIa)からの混合3’−デオキシチミジン 3’−ジスルフィド 13の調製
【0064】
【化9】

【0065】
[実施例3]実施例3:中間体(IIa)およびハロゲン化スルフェニル(VIIa)からの式(III)のビニルジスルフィド系の混合ジスルフィドの調製
安定したハロゲン化スルフェニルからの混合2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロリボヌクレオシド(チミジン、ウリジンおよびシチジン) 2’−ジスルフィド 15〜17および20〜22の調製
【0066】
【化10】

【0067】
ジスルフィド15、16、17、20、21および22の合成手順を、より詳細に説明する。
【0068】
これらの反応は、シトシンのような他の核塩基および他のヌクレオシドまたは非ヌクレオシドで不飽和のシリル化硫化物からなるヌクレオシドを伴い、繰り返され得る。
【0069】
以下に示す反応経路によると、このように形成されるビニルジスルフィドは、in situで減少され得、対応するビニルチオールを形成する。後者は非常に不安定で、in situでアルキル化される。本工程は、チオールを得るための単純で易しい方法を構成する。
【0070】
【化11】

【0071】
[実施例4]:中間体(IIa)およびハロゲン化スルフェニル(VIIb)からの式(IV)のチオスルフィネートの調製
【0072】
【化12】

【0073】
[実施例5]:中間体(IIb)およびハロゲン化スルフェニル(VIIa)からの式( V )のチオスルフィネートの調製
ハロゲン化スルフェニルからの3’−デオキシチミジン3’−チオスルフィネートの調製
【0074】
【化13】

【0075】
この実施例は、他のヌクレオシド(2’−デオキシシチジン、ウリジン、シチジン等)のチオスルフィネートの調製をするため繰り返され得る。
【0076】
[実施例6]:中間体(IIb)とハロゲン化スルフェニル(VIIa)の反応による式(V )のヌクレオシドチオスルフィネートのエナンチオ選択的な調製
【0077】
【化14】

【0078】
[実施例7]:臭化シアンまたは臭素の存在下における中間体(IIa)からの対称的なジスルフィド(VIの調製
【0079】
【化15】

【0080】
[実施例8]:中間体(IIa)からの他のジスルフィド(III)の調製
調製したヌクレオシド 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3を新規な混合ヌクレオシド アルキルジスルフィドの調製をするために用いた:
【0081】
【化16】

【0082】
[実施例9]:ビニルジスルフィド中間体(III)からの新規なビニルチオールの調製
【0083】
【化17】

【0084】
本反応を、ヌクレオシド15〜17、20〜22および全誘導体(III)を伴い実施する。
【0085】
以下の実施例部分で、実施例1の化合物を形成する工程による本発明によって得られる混合ジスルフィドを得るための合成手順を説明する。
【0086】
手順A1:ヌクレオシド/4−ニトロフェニルジスルフィド誘導体の合成
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水ジクロロメタン溶液に加える。混合物を15時間攪拌し、次いで、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(98:2次いで95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られる残渣をジクロロメタンの最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0087】
手順A2:ヌクレオシド/4−ニトロフェニルジスルフィド誘導体の合成
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水メタノール溶液に加える。混合物を15時間攪拌し、次いで、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(95:5〜90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られる残渣をジクロロメタンの最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0088】
手順B1:ヌクレオシド/2−ニトロフェニルジスルフィド誘導体の合成
2−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水ジクロロメタン溶液に加える。混合物を15時間攪拌し、次いで、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(98:2〜95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られる残渣をジクロロメタンの最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0089】
手順B2:ヌクレオシド/2−ニトロフェニルジスルフィド誘導体の合成
2−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水メタノール溶液に加える。混合物を15時間攪拌し、次いで、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(95:5〜90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られる残渣をジクロロメタンの最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0090】
手順B3:ヌクレオシド/2−ニトロフェニルジスルフィド誘導体の合成
2−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水ジクロロエタン溶液に加える。混合物を攪拌し、48時間還流する。溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン−メタノール(98:2〜95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られる残渣をジクロロメタンの最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0091】
手順C1:ヌクレオシド/トリクロロメタンジスルフィド誘導体の合成
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水ジクロロメタン溶液に加える。混合物を終夜攪拌し、次いで窒素流入雰囲気下、使用する反応物の毒性のためドラフト中で、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られる残渣を溶離液の最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0092】
手順C2:ヌクレオシド/トリクロロメタンジスルフィド誘導体の合成
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水メタノール溶液に加える。混合物を終夜攪拌し、次いで窒素流入雰囲気下、使用する反応物の毒性のためドラフト中で、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために得られる残渣を溶離液の最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0093】
手順C3:ヌクレオシド/トリクロロメタンジスルフィド誘導体の合成
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(3当量)を、アルゴン雰囲気下で保ち、ヌクレオシドの無水ジクロロメタン溶液に加える。混合物を終夜攪拌し、48時間還流する。溶媒を引き続き窒素流入雰囲気下、使用する反応物の毒性のためドラフト中で、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られる残渣を溶離液の最小量に溶解し、所望の化合物を得る。
【0094】
3’−デオキシチミジン−3’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 2
【0095】
【化18】

【0096】
手順C1
3’−デオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 1(40mg;0.11mmol)
無水ジクロロメタン(1.5ml)
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(60μl、0.56mmol)
白い粉末状の2(37mg、0.09mmol、81%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.36 (1H, s, NH), 7.48 (1H, s, 6−H); 6.13 (1H, dd, J=6.4Hz, J=12.7Hz, 1’−H), 4.26 (1H, m, 3’−H), 4.18 (1H, m, 4’−H), 4.09−3.88 (2H, m, 5’−H×2), 2.77−2.56 (2H, m, 2’−H×2).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.9 (C2), 150.4 (C4), 136.7 (C6), 115.2 (C5), 100.4 (C−Cl), 86.2 (Cl’), 85.4 (C4’), 61.3 (5’−CH), 47.9 (C3’), 38.4 (2’−CH), 12.5 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 409 [M+H], 429 [M+NH, 127 [thymine+H]
High resolution MS(高分解能質量分析):type of ion [M+Na]
empirical formula(経験式): C1113ClNaS
m/z theoretical(理論値): 428.9280
m/z found(測定値): 428.9283
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3
【0097】
【化19】

【0098】
手順A1
3’−デオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 1(300mg;0.84mmol)
無水ジクロロメタン(5ml)
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(476mg、2.5mmol)
薄い黄色粉末状の3(0.331g、0.80mmol、96%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.48 (1H, s, NH), 8.20 (2H, d, Ar), 7.70 (2H, d, Ar) 7.46 (1H, s, 6−H), 6.07 (1H, dd, J=5.2Hz, J=11.6Hz, 1’−H), 4.05 (1H, m, 5’−H), 4.02 (1H, m, 4’−H), 3.88 (1H, m, 5’−H× HH2), 3.50 (1H, m, 3’−H), 2.60−2.51 (2H, m, 2’−H×2), 1.89 (3H, s, 5−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.4 (C2), 150.1 (C4), 145.6 (C−NO), 136.8 (C6), 136.6 (C−SS), 126.1 (2 C Ar), 124.3 (2 C Ar), 111.1 (C5), 85.9 (C1’), 84.7 (C4’), 61.2 (5’−CH), 45.8 (C3’), 37.6 (2’−CH), 12.5 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 412 [M+H], 429 [M+H+NH, 127 [thymine+H]
3’−デオキシチミジン−3’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 4
【0099】
【化20】

【0100】
手順B1
3’−デオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 1(300mg、0.84mmol)
2−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(476mg、2.5mmol)
極めて明るい黄色粉末状の4(0.314g、0.76mmol、91%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.26 (1H, s, NH), 8.29 (1H, m, Ar), 8.25 (1H, m, Ar), 7.74 (1H, m, Ar), 7.52 (1H, s, 6−H), 7.42 (1H, m, Ar), 6.04 (1H, dd, J=4.8Hz, J=11.6Hz, 1’−H), 4.08−4.05 (2H, m, 4’−Hand 5’−H), 3.85 (1H, m, 5’−H), 3.50 (1H, m, 3’−H), 2.56−2.44 (2H, m, 2’−H), 1.89 (3H, s, 5−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.9 (C2), 150.3 (C4), 145.6 (C−NO); 136.8 (C6), 136.6 (C−SS), 134.3, 127.1, 126.8, 126.3 (4 C Ar), 110.8 (C5), 85.9 (C1’), 85.0 (C4’), 61.1 (5’−CH), 45.3 (C3’), 37.8 (2’−CH), 12.4 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 412 [M+H], 429 [M+H+NH, 127 [thymine+H]
2’−デオキシウリジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 7
【0101】
【化21】

【0102】
手順 C2
2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 5(50mg、0.14mmol)
無水メタノール(1.5ml)
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(44μl、0.42mmol)
白い粉末状の7(48mg、0.12mmol、84%)
H NMR (400MHz, MeOD), d 8.01 (1H, d, J=8Hz, 6−H), 6.38 (1H, d, J=8.8Hz, 1’−H), 5.78 (1H, d, J=8Hz, 5−H), 4.54 (1H, m, 3’−H), 4.25 (1H, dd, J=5.6Hz, J=8.8Hz, 2’−H), 4.09 (1H, m, 1’−H), 3.78 (2H, m, 5’−H×2).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 164.4 (C2), 151.1 (C4), 141.0 (C6), 102.2 (C5), 100.2 (C−Cl), 88.6 (C1’), 87.3 (C4’), 72.8 (C3’), 61.6 (5’−CH), 59.0 (C2’).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 411 [M+H]
2’−デオキシシチジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 8
【0103】
【化22】

【0104】
手順C2
2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 6(40mg、0.11mmol)
無水メタノール(1ml)
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(38μl、0.33mmol)
白い粉末状の8(53mg、0.13mmol、86%)
H NMR (400MHz, MeOD) d 7.99 (1H, d, J=7.6Hz, 6−H), 6.43 (1H, d, J=8.8Hz, 1’−H), 5.78 (1H, d, J=7.6Hz, 5−H), 4.55 (1H, m, 3’−H), 4.25 (1H, dd, J=5.2Hz, J=8.8Hz, 2’−H), 4.09 (1H, m, 1’−H), 3.78 (2H, m, 5’−H×2).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 165.8 (C4), 156.8 (C2), 141.9 (C6), 100.3 (C−Cl), 95.6 (C5), 89.7 (C1’), 87.1 (C4’), 72.8 (C3’), 61.7 (5’−CH), 59.5 (C2’).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 410 [M+H]
2’−デオキシウリジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 9
【0105】
【化23】

【0106】
手順A2
2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 5(400mg、1.11mmol)
無水メタノール(8ml)
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(632mg、3.33mmol)
薄い黄色粉末状の9(421mg、1.02mmol、92%)
H NMR(400MHz, MeOD) d 8.18 (2H, d, Ar), 7.78 (1H, d, J=8.2Hz, 6−H), 7.66 (2H, d, Ar), 6.35 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−H), 5.56 (1H, d, J=8.4Hz, 5−H), 4.48 (1H, m, 3’−H), 4.02 (1H, m, 4’−H), 3.79 (1H, m, 2’−H), 3.70 (2H, m, 5’−H×2).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 163.9 (C2), 150.8 (C4), 146.5 (C−NO), 145.7 (C−SS), 140.6 (C6), 125.9 (2 C, Ar), 123.7 (2 C, Ar), 101.9 (C5), 87.9 (C1’), 86.8 (C4’), 72.9 (C3’), 61.5 (C2’), 60.1 (5’−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 414 [M+H], 431 [M+H+NH
2’−デオキシシチジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 10
【0107】
【化24】

【0108】
手順 A2
2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 6(200mg、0.56mmol)
無水メタノール(6ml)
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(316mg、1.66mmol)
メタノール(2ml)からの再結晶の後に得られる極めて明るい黄色粉末状の10(158mg、0.38mmol、69%)
H NMR (400MHz, DMSO) d 8.13 (2H, Ar), 7.65 (2H, Ar) 7.60 (1H, d, J=7.6Hz, 6−H), 7.16 (2H, bs, 2 NH), 6.27 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−H), 6.13 (1H, d, J=5.2Hz, 3’−OH), 5.57 (1H, d, J=7.6Hz, 5−H), 5.05 (1H, t, J=5.2Hz, 5’−OH), 4.33 (1H, m, 3’−H), 3.89 (1H, m, 4’−H), 3.70 (1H, m, 2’−H), 3.51 (2H, bs, 5’−H×2).
13C NMR (100MHz, DMSO) d 165.7 (C4), 150.1 (C2), 146.3 (C−NO), 146.1 (C−SS), 141.6 (C6), 126.2 (2 C Ar), 124.4 (2 C Ar), 95.1 (C5), 88.6 (C1’), 86.7 (C4’), 72.7 (C3’), 61.8 (5’−CH), 59.7 (C2’).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NAB): m/z 413 [M+H]
システイン 4−ニトロフェニル ジスルフィド 61
【0109】
【化25】

【0110】
システイン系のシリル化スルフィド 60
【0111】
【化26】

【0112】
保護されたシステイン誘導体 59(1g、4.25mmol)の溶液およびトリメチルビニルシラン(740ml、5.1mmol)の溶液を、AIBNの触媒量(10%)の存在下、70℃で封管し24時間、攪拌する。反応混合物を引き続き蒸発させ乾燥し、明るい黄色油状の化合物 60(1.1g、81%)を得る。
【0113】
H NMR CDCl d 5.40 (1H, d, NH), 4.52 (1H, m, Ha), 3.72 (3H, s, CH), 2.95 (2H, d, CHS), 2.52 (2H, m, CHS), 1.41 (9H, s, (CH), 0.81 (2H, m, CHSi), 0.12 (9H, s, (CHSi).
13C NMR CDCl d 171.5 (C=O), 155.0 (C=O), 79.8 (C Boc), 53.2, 52.3 (2 CHS), 34.2 (CH), 28.2 (3 CH Boc), 17.2 (CHSi), −1.9 (3 CHSi).
HRMS(高分解能ガスクロマトグラフ質量分析)−C−1429NONaSSi [M+Na], theoretical(理論値): 358.1484; found(測定値): 358.1483
システイン 4−ニトロフェニル ジスルフィド 61
【0114】
【化27】

【0115】
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(177mg、0.93mmol)をシリル化システインスルフィド 60(100mg、0.31mmol)の無水ジクロロメタン溶液(5ml)に加え、次いで中間反応物を不活性雰囲気下、室温で48時間攪拌する。混合物を引き続きジクロロメタンで希釈し、水で洗浄し、次いで蒸発させ乾燥する。残渣をシクロヘキサン/ジクロロメタン(50〜50、次いで70〜30、次いで0〜100)混合のシリカゲルクロマトグラフィーにより抽出し、明るい黄色油状の化合物 61(79mg、69%)を得る。
【0116】
H NMR CDCl d 8.22 (2H, d, Harom), 7.66 (2H, d, Harom), 5.31 (1H, m, NH), 4.62 (1H, m, Ha), 3.78 (3H, s, COCH), 3.32 (1H, dd, CH), 3.19 (1H, dd, CH), 1.46 (9H, s, (CH).
13C NMR CDCl d 107.7 (C=O), 154.8 (C=O), 146.4, 145.9 (2C, arom), 126.2, 124.1 (2×2C arom), 80.5 (C(CH), 52.7 (COCH), 41.2 (CHS), 28.2 (3 CH).
2−デオキシウリジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 11
【0117】
【化28】

【0118】
手順 B2
2’−デオキシ−2’−(2-(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 5(200mg、0.55mmol)
無水メタノール(4ml)
2−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(316mg、1.66mmol)
極めて明るい黄色粉末状の11(220mg、0.53mmol、96%)
H NMR (400MHz, DMSO) d 11.14 (1H, s, NH), 8.21 (1H, m, Ar), 7.79 (1H, m, Ar), (1H, d, J=8.1Hz, 6−H), 7.49 (2H, m, Ar), 6.23 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−H), 6.17 (1H, m, 3’−OH), 5.42 (1H, d, J=8.0Hz, 5−H), 5.03 (1H, m, 3’−H), 4.35 (1H, m, 5’−OH), 3.91 (1H, m, 4’−H), 3.69 (1H, dd, J=5.2Hz, J=9.1Hz, 2’−H), 3.51 (2H, m, 5’−H×2).
13C NMR (100MHz, DMSO) d 162.8 (C2), 151.0 (C4), 145.3 (C−NO), 145.7 (C−SS), 140.3 (C6), 136.0 (C−SS), 135.3, 127.7, 127.5, 126.40 (4 C, Ar), 102.7 (C5), 87.3 (C1’), 86.9 (C4’), 72.7 (C3’), 61.6 (5’−CH), 58.3 (C2’).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 414 [M+H], 431 [M+H+NH
2−デオキシシチジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 12
【0119】
【化29】

【0120】
手順 B2
2’−デオキシ−2’−(2-(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 6(100mg、0.28mmol)
無水メタノール(4ml)
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(158mg、0.83mmol)
極めて明るい黄色粉末状の12(43mg、0.10mmol、42%)
H NMR (400MHz, MeOD) d 8.21 (2H, m, Ar), 7.73 (2H, m, Ar +6−H, J=7.5Hz), 7.44 (1H, m, Ar), 6.42 (1H, d, J=9.3Hz, 1’−H), 5.70 (1H, d, J=7.4Hz, 5−H), 4.47 (1H, m, 3’−H), 4.03 (1H, bs, 4’−H), 3.70−3.62 (3H, m, 5’−H×2+ 2’−H).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 165.1 (C4), 157.4 (C2), 145.3 (C−NO), 141.3 (C6), 135.9 (1CAr), 145.3 (C−SS), 127.0, 126.6, 125.5 (3 C Ar), 96.1 (C5), 88.8 (C1’), 86.9 (C4’), 72.7 (C3’), 61.6 (5’−CH), 59.2 (C2’).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NAB): m/z 413 [M+H]
以下の実施例部分で、実施例2の化合物を形成する工程による本発明により得られる式(III)の混合ジスルフィドを得るための合成手順を説明する。
【0121】
3’−デオキシチミジン−3’−イル プロピル ジスルフィド 13
【0122】
【化30】

【0123】
プロパンジスルフィド(108μl、0.70mmol)および次いで臭化シアン(73mg、70mmol)をシリル化ヌクレオシド 1(50mg、0.14mmol)の無水ジクロロメタン溶液(3ml)に加え、化合物(IIa)を本発明により得る。混合物をアルゴン雰囲気下、40℃で96時間攪拌する。対称的なジスルフィドが徐々にベージュ色の沈殿物の形状で現れ、一方、二番目の生成物は溶液中に残っている。リン酸塩緩衝溶液(0.5M、pH7、2ml)で30分間加水分解した後、溶媒を蒸発させ乾燥する。得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。混合ジスルフィドを白い粉末状で得る(18mg、0.05mmol、39%)。対称的なジスルフィド 34をこのように白い粉末状で得る(8mg、0.015mmol、22%)。
【0124】
プロパンジスルフィド(131μl、0.42mmol)および次いで臭素のジクロロメタン溶液(209μl、2M、0.84mmol)をシリル化ヌクレオシド 1(30mg、0.08mmol)のジクロロメタン溶液(4ml)に加える。混合物をアルゴン雰囲気下、6時間攪拌する。5%チオ硫酸ナトリウム溶液を加える。有機層を水(5ml)で2回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ乾燥するために有機層を合わせる。得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(98:2および次いで95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。対称的なジスルフィド 13をこのように白い粉末状で得る(8mg、0.02mmol、28%)。
【0125】
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.11 (1H, s, NH), 7.56 (1H, s, 6−H), 6.12 (1H, dd, J=4.4Hz, J=6.8Hz, 1’−H), 4.09−4.01 (2H, m, 4’−Hand 5’−H), 3.90 (1H, m, 5’−H), 3.60 (1H, m, 3’−H), 2.73 (2H, m, CH−S), 2.72−2.53 (2H, m, CH×2), 1.95 (5−CH), 1.73 (2H, m, S−CH−CH), 1.04 (2H, m, CH−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.2 (C2), 151.2 (C4), 136.5 (C6), 110.8 (C5), 85.9 (C1’), 85.4 (C4’), 61.5 (5’−CH), 45.2 (C3’), 39.8 (CH−S), 38.1 (2’−CH), 22.5 (CH−CH), 13.0 (CH−CH), 12.5 (5−CH).
以下の実施例部分で、実施例3の化合物を形成する工程による本発明により得られる混合ジスルフィドの調製における合成手順を説明する。
【0126】
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 15
【0127】
【化31】

【0128】
手順 C3
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチル−シリル)エチル)チオチミジン 14(50mg、0.14mmol)
無水ジクロロメタン(3ml)
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(45μl、0.42mmol)
白い粉末状の15(36mg、0.09mmol、63%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 7.43 (1H, bs, 6−H), 7.05 (1H, m, 1’−H), 6.62 (1H, m, 3’−H), 5.99 (1H, m, 4’−H), 3.92 (1H, dd, J=2.4Hz, J=12.4Hz, 5’−H), 3.82 (1H, dd, J=2.8Hz, J=12.4Hz, 5’−H), 1.94 (3H, s, 5−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 162.7 (C2), 150.8 (C4), 135.24 (C3’), 135.16 (C6), 131.8 (C2’), 110.6 (C5), 100.1 (C−Cl), 91.4 (C1’), 86.8 (C4’), 63.3 (5’−CH), 13.1 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 407 [M+H]
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル 4−ニトロ−フェニル ジスルフィド 16
【0129】
【化32】

【0130】
手順 A1
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 14(50mg、0.14mmol)
無水ジクロロメタン(3ml)
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(80mg、0.42mmol)
黄色い粉末状の16(32mg、0.08mmol、56%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.18 (2H, m, Ar), 7.60 (2H, m, Ar), 7.35 (1H, s, 6−H), 6.91 (1H, bs, 1’−H), 6.39 (1H, bs, 3’−H), 4.92 (1H, bs, 4’−H), 3.84 (1H, m, 5’−H), 3.73 (1H, m, 5’−H), 1.83 (3H, s, 5−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 162.5 (C2), 150.7 (C4), 146.7 (C−NO), 144.2 (C−SS), 135.1 (C6), 133.1 (C2’), 132.4 (C3’), 126.7 (2 C, Ar), 124.2 (2 C, Ar), 102.5 (C5), 91.2 (C1’), 86.9 (C4’), 63.2 (5’−CH), 13.1 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 432 [M+Na]
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 17
【0131】
【化33】

【0132】
手順 B3
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチル−シリル)エチル)チオチミジン 14(50mg、0.14mmol)
無水ジクロロエタン(3ml)
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(80mg、0.42mmol)
極めて明るい黄色粉末状の17(30mg、0.07mmol、53%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.30 (1H, m, Ar), 8.01 (1H, m, Ar), 7.70 (1H, m, Ar), 7.44 (1H, m, Ar), 7.28 (1H, bs, 6−H), 7.43 (1H, m, Ar), 6.81 (1H, m, 1’−H), 6.30 (1H, m, 3’−H), 4.90 (1H, m, 4’−H), 3.81 (1H, dd, J=2.8Hz, J=12.4Hz, 5’−H), 3.69 (1H, m, dd, J=3.2Hz, J=12.4Hz, 5’−H), 1.86 (3H, s, 5−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 162.3 (C2), 150.7 (C4), 145.2 (C−NO), 135.3 (C−SS), 135.1 (C6), 134.4 (1 C, Ar), 132.7 (C3’), 131.9 (C2’), 127.1, 126.9, 126.1 (3 C, Ar), 110.4 (C5), 89.9 (C1’), 86.9 (C4’), 63.3 (5’−CH), 13.0 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 410 [M+H]
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 20
【0133】
【化34】

【0134】
手順 C3
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチル−シリル)エチル)チオウリジン 18(50mg、0.15mmol)
無水ジクロロメタン(3ml)
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(48μl、0.44mmol)
白い粉末状の20(55mg、0.14mmol、96%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.23 (1H, s, NH), 7.75 (1H, d, J=8Hz, 6−H), 7.15 (1H, m, 1’−H), 6.68 (1H, m, 3’−H), 5.74 (1H, d, J=8Hz, 5−H), 5.04 (1H, m, 4’−H), 3.97 (1H, dd, J=2.4Hz, J=12.8Hz, 5’−H), 3.84 (1H, dd, J=2.4Hz, J=12.4Hz, 5’−H).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 164.6 (C2), 150.6 (C4), 141.2 (C6), 136.0 (C3’), 131.3 (C2’), 102.9 (C5), 99.9 (C−Cl), 90.0 (C1’), 87.4 (C4’), 62.9 (5’−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 393 [M+H]
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 21
【0135】
【化35】

【0136】
手順 A1
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチル−シリル)エチル)チオウリジン 18(200mg、0.58mmol)
無水ジクロロメタン(6ml)
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(333mg、1.75mmol)
黄色い粉末状の21(152mg、0.38mmol、66%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.40 (1H, s, NH), 8.16 (2H, m, Ar), 7.65 (1H, d, J=8.0Hz, 6−H), 7.60 (2H, m, Ar), 7.04 (1H, m, 1’−H), 6.48 (1H, m, 3’−H), 5.70 (1H, d, J=8.4Hz, 5−H), 4.99 (1H, bs, 4’−H), 3.94 (1H, m, 5’−H), 3.83 (1H, m, 5’−H).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 162.9 (C2), 150.3 (C4), 146.8 (C−NO), 143.9 (C−SS), 140.8 (C6), 135.1 (C2’), 131.8 (C3’), 126.6 (2 C, Ar), 126.3 (2 C, Ar), 102.8 (C5), 89.7 (C1’), 87.0 (C4’), 63.0 (5’−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 396 [M+H], 413 [M+NH
下記の段階で、in situでの不安定なビニルチオールに対応する形成の後に得られるアルキル化チオール 31、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−メチルチオウリジン、のジスルフィド 21からの調製を説明する。
【0137】
【化36】

【0138】
DTT(59mg、0.38mmol)をあらかじめ21(30mg、0.08mmol)のアルゴンで脱水した無水メタノール溶液に加える。溶液を30分間攪拌し、次いでNHHCO(30mg、0.38mmol)およびメチルヨウ化物(190μl、3.0mmol)を引き続いて加える。1時間攪拌後、反応混合物を蒸発させ、次いで残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。メチル化した不飽和の化合物 31を白い形状で得る(16mg、0.06mmol、82%)。
【0139】
H NMR (400MHz, CDCl) d 7.60 (1H, d, J=8Hz, 6−H), 6.93 (1H, m, 1’−H), 5.76 (1H, s, 3’−H), 5.73 (1H, d, J=7.6Hz, 5−H), 4.99 (1H, m, 4’−H), 3.94 3.76 (2H, m, J=3.2Hz, J=11.6Hz, 5’−H×2), 2.41 (Me).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 162.8 (C2), 150.5 (C4), 141.8 (C6), 136.4 (C3’), 122.3 (C2’), 102.8 (C5), 90.2 (C1’), 87.2 (C4’), 63.6 (5’−CH), 15.1 (Me).
HRMS(高分解能ガスクロマトグラフ質量分析)−C1012SNa: [M+Na] 279.0416, found(測定値): 279.0416.
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 22
【0140】
【化37】

【0141】
手順 B3
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチル−シリル)エチル)チオウリジン 18(100mg、0.29mmol)
無水ジクロロエタン(3ml)
2−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(166mg、0.88mmol)
極めて明るい黄色粉末状の22(82mg、0.21mmol、71%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.31 (2H, m, NH+Ar), 8.02 (1H, m, Ar), 7.68 (2H, m, Ar, J=8.0Hz, 6−H), 7.43 (1H, m, Ar), 6.98 (1H, m, 1’−H), 6.40 (1H, m, 3’−H), 5.66 (1H, d, J=8.4Hz, 5−H), 4.97 (1H, m, 4’−H), 3.94−3.77 (2H, m, 5’−H×2).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 162.6 (C2), 150.1 (C4), 145.4 (C−NO), 140.7 (C6), 135.1 (C−SS), 134.3 (1 C, Ar), 133.1 (C3’), 132.4 (C2’), 127.0, 126.9, 126.2 (3 C, Ar), 102.8 (C5), 89.9 (C1’), 87.0 (C4’), 63.1 (5’−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 396 [M+H], 413 [M+NH
以下の実施例部分で、実施例4の化合物を形成する工程による本発明により得られる式(IV)のチオスルフィネートを得るための合成手順を説明する。
【0142】
チオスルフィネート 25
【0143】
【化38】

【0144】
スルフェニル塩化物 24(203mg、1.3mmol)およびテトラブチルアンモニウムフッ化物(0.5M溶液/MeOH、105μl、0.2当量)を引き続いてシリル化スルフィド 23(50mg、0.26mmol)の無水ジクロロエタン溶液(1ml)にアルゴン雰囲気下で加える。反応混合物を室温で15時間攪拌し、次いで4時間熱還流し、濃縮することでチオスルフィネート 25をオレンジ色の油状物で得る。NMRはチオスルフィネートの存在のみを示し、シリル化スルフィドの存在はもはや示さない。生成物は特定の精製をしないことを特徴とする。
【0145】
H NMR (400MHz, CDCl) d 3.00 (2H, t, CHS), 1.60 (2H, m, CH), 1.35 (2H, m, CH), 0.84 (3H, m, CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 61.1 (CHSO), 38.3 (CHS), 34.3 (CH), 32.6 (CH), 31.9 (CH), 27.0 (CH), 22.1 (CH), 22.0 (CH×2).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI/NH−isobutane): m/z 215 [M+H], 232 [M+NH], 248 [M+2NH].
チオスルフィネート 27
【0146】
【化39】

【0147】
スルフェニル塩化物 26(83mg、0.52mmol)をシリル化スルフィド 23(50mg、0.26mmol)の無水ジクロロエタン溶液(1ml)にアルゴン雰囲気下で加える。反応混合物を室温で15時間攪拌し、次いで濃縮することでチオスルフィネート 27を茶色の油状で得る。NMRはチオスルフィネートの存在のみを示し、シリル化スルフィドの存在はもはや示さない。生成物は特定の精製なしで特徴づけられている。
【0148】
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.00−7.30 (5H, m, Ar), 3.00 (2H, t, CHS), 1.60 (2H, m, CH), 1.35 (2H, m, CH), 0.84 (3H, m, CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 143.0, 136.6, 129.4, 127.5, 35.7 (CHS), 30.6 (CH), 21.6 (CH), 13.4 (CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI/NH−isobutane): m/z 209 [M+H], 225 [M+NH], 242 [M+2NH].
以下の実施例部分で、実施例5の化合物を形成する工程による本発明により得られる式( V )のチオスルフィネートを得るための合成手順を説明する。
【0149】
チオスルフィネート 29
【0150】
【化40】

【0151】
トリクロロメタンスルフェニル塩化物(56mg、0.30mmol)をシリル化スルフィド 28(43mg、0.11mmol)の無水ジクロロエタン溶液(1ml)にアルゴン雰囲気下で加える。反応混合物を48時間還流し、次いでドラフト中で窒素流入雰囲気下、濃縮する。残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。クロマトグラフィーで分けることのできない2つの生成物を白い粉末状で得る(27mg、55%)。
【0152】
比 54A (ジスルフィド 2)/46B(チオスルフィネート 29)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.36 (1H, bs, NH), 8.28 (1H, bs, NH), 7.47 (1H, s, 6−HA), 7.22 (1H, s, 6−HB), 6.12 (1H, m, 1’−HA), 5.87 (1H, m, 1’−HB), 4.94 (1H, m, 3’−HB), 4.71 (1H, m, 4’−HB), 4.29−4.09 (4H, m, 3’−HA, 4’−HA, 5’−HA, 5’−HB), 3.92−3.84 (2H, m, 5’−HA, 5’−HB), 3.07−2.91 (2H, m, 2’−HB×2), 2.80−2.57 (2H, m, 2’−HA×2), 1.94 (6H, bs, 5−CH A, 5−CH B).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 164.9 (C2A, B), 150.8 (C4 A, B), 136.7 (C6’ A), 136.4 (C6’ B), 110.8 (C5 A, B), 100.0 (C−Cl A, B), 85.5 (C4’ A), 85.5 (C1’ B), 85.1 (C1’ A), 84.7 (C1’ A), 79.4 (C4’ A), 71.4 (C3’ B), 62.1 (5’−CH), 61.3 (5’−CH), 48.4 (C3’ A), 38.0 (C2’ A), 29.3 (C2’ B), 11.0 (5−CH A, B).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z A 409 [M+H], B 441 [M+NH
チオスルフィネート 30
【0153】
【化41】

【0154】
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(56mg、0.30mmol)をシリル化スルフィド 1(28mg、0.07mmol)の無水ジクロロエタン溶液(1ml)にアルゴン雰囲気下で加える。反応混合物を48時間還流し、次いで濃縮する。残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。クロマトグラフィーで分けることのできない2つの生成物を黄色い粉末状で得る(12mg、48%)。
【0155】
比 40A(チオスルフィネート 30)/60B(ジスルフィド 3)
H NMR (400MHz, MeOD) d 8.36 (2H, d, ArA), 8.24 (2H, d, Ar B), 8.05 (2H, d, ArA), 7.88 (1H, s, 6−HB), 7.83 (2H, d, Ar B), 7.18 (1H, s, 6−HA), 6.25 (1H, m, 1’−HA), 6.13 (1H, m, 1’−HB), 4.51 (1H, m, 4’−HA), 4.34 (1H, m, 3’−HA), 4.01 (1H, m, 4’−HB), 3.89−4.05 (2H, m, 5’−HA, 5’−HB), 3.79 (1H, m, 3’−HB), 3.73 (2H, m, 5’−HA, 5’−HB), 2.86 (1H, m, 2’−HA), 2.61−2.42 (3H, m, 2’−H×2 B, 2’−HA), 1.82 (6H, bs, 5−CH A, 5−CH B).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 164.9 (C2A, B), 150.8 (C4 A, B), 149.7, 146.6, 145.9, 136.9 (C6’ B), 136.7, 136.5 (C6’A), 126.1, 124.1, 123.8, 110.4 (C5 A), 109.8 (C5 B), 84.0 (C1’ B, C4’ B), 84.5 (C1’ A), 79.4 (C4’ A), 68.8 (C3’ A), 61.9 (5−CH), 60.3 (5’−CH), 46.0 (C3’ B), 37.5 (C2’ B), 29.3 (C2’ A), 11.0 (5−CH A, B).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z A 429 [M+H], B 412 [M+H]
以下の実施例部分で、実施例6の化合物を形成する工程による本発明により得られる式(V)のチオスルフィネートを得るための合成手順を説明する。
【0156】
チオスルフィネート 33
【0157】
【化42】

【0158】
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(30mg、0.16mmol)をシリル化スルフィド 32a(ジアステレオ異性体 1)(20mg、0.05mmol)の無水メタノール−ジクロロエタン混合(2ml、1:1)溶液にアルゴン雰囲気下で加える。反応混合物を48時間還流し、次いで濃縮する。残渣をジクロロメタン−メタノール(90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。クロマトグラフィーで分けることのできない2つの生成物を黄色い粉末状で得る(6mg、26%)。
【0159】
比 45(ジスルフィド 9)A/55(チオスルフィネート 33) B
H NMR (400MHz, MeOD) d 8.44 (2H, d, Ar B), 8.17 (2H, d, ArA), 8.10 (2H, d, Ar B), 7.90 (1H, d, J=8.0Hz, 6−HB), 7.77 (1H, d, J=8.4Hz, 6−HB), 7.66 (2H, d, ArA), 6.35 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−HA), 6.21 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−HB), 5.65 (1H, d, J=8.0Hz, 5−HB), 5.66 (1H, d, J=8.0Hz, 5−HA), 4.48 (1H, m, 3’−HA), 4.34 (1H, m, 3’−HB), 4.13 (1H, m, 2’−HB), 4.08 (1H, m, 4’−HB), 4.04 (1H, m, 4’−HA), 3.79−3.52 (4H, m, 2’−HA + 5’−H×2 A, 5’−H×2B).
4−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物(45mg、0.24mmol)をシリル化スルフィド 32b(ジアステレオ異性体 2)(30mg、0.08mmol)の無水メタノール−ジクロロエタン混合(2ml、1:1)溶液にアルゴン雰囲気下で加える。反応混合物を48時間還流し、次いで濃縮する。残渣をジクロロメタン−メタノール(90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。クロマトグラフィーで分けることのできない2つの生成物を黄色い粉末状で得る(12mg、35%)。
【0160】
比 37(ジスルフィド 9)A/63(チオスルフィネート 33)B
H NMR (400MHz, MeOD) d 8.44 (2H, d, Ar B), 8.18 (2H, d, ArA), 8.11 (2H, d, Ar B), 7.90 (1H, d, J=8.4Hz, 6−HB), 7.78 (1H, d, J=8.4Hz, 6−HB), 7.65 (2H, d, ArA), 6.35 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−HA), 6.21 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−HB), 5.66 (1H, d, J=8.0Hz, 5−HB), 5.66 (1H, d, J=8.0Hz, 5−HA), 4.48 (1H, m, 3’−HA), 4.34 (1H, m, 3’−HB), 4.13 (1H, m, 2’−HB), 4.08 (1H, m, 4’−HB), 4.02 (1H, m, 4’−HA), 3.79 (1H, m, 2’−HA), 3.75−3.70 (4H, m, 5’−H× 2 A, 5’−H×2B).
MS(マススペクトロメトリー) (ES+): m/z A 413 [M+H], B 429 [M+H]
以下の実施例部分で、実施例7の化合物を形成する工程による本発明により得られる式(VI)の対称的なジスルフィドを得るための合成手順を説明する。
【0161】
ビス(3’−ジデオキシチミジン−3’−イル) ジスルフィド 34
【0162】
【化43】

【0163】
臭素のジクロロメタン(69μl、2M、0.015mmol)溶液をシリル化ヌクレオシド 1(10mg、0.03mmol)の無水ジクロロメタン溶液(4ml)に加える。混合物をアルゴン雰囲気下、4時間攪拌する。5%チオ硫酸ナトリウム溶液を加える。有機層を水(5ml)で2回洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ乾燥するために有機層を合わせる。得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(98:2次いで95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。対称的なジスルフィド 34をこのように白い粉末状で得る(5mg、0.01mmol、70%)。
【0164】
臭化シアン(0.06mg、0.57mmol)をシリル化ヌクレオシド 1(40mg、0.11mmol)の無水ジクロロエタン溶液(3ml)に加える。混合物をアルゴン雰囲気下、40℃で96時間攪拌する。対称的なジスルフィドが徐々にベージュ色の沈殿物の形状で現れ、一方、二番目の生成物は溶液中に残っている。リン酸塩緩衝溶液(0.5M、pH7、2ml)で30分間加水分解した後、溶媒を蒸発させ乾燥する。得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。対称的なジスルフィド 34をこのように白い粉末状で得る(12mg、0.02mmol、43%)。
【0165】
H NMR (400MHz, MeOD) d 8.59 (1H, s, NH), 7.54 (1H, s, 6−H), 6.15 (1H, dd, J=3.2Hz, J=7.6Hz, 1’−H), 4.09−4.06 (1H, dd, J=2.4Hz, J=12.0Hz, 5’H), 3.86 (1H, m, 4’−H), 3.81 (1H, dd, J=2.4Hz, J=12.0Hz, 5’H), 3.55 (1H, m, 3’−H), 2.66−2.41 (2H, m, 2’H×2), 1.92 (5−CH).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 163.5 (C2), 150.1 (C4), 136.2 (C6), 110.8 (C5), 88.6 (C4’), 85.0 (C1’), 60.6 (5’−CH), 42.7 (C−3’), 33.7 (2’−CH), 12.5 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 515 [M+H]
ビス(5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシウリジン−3’−イル) ジスルフィド 36 および5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 36−1
【0166】
【化44】

【0167】
臭化シアン(0.230mg、2.17mmol)をシリル化ヌクレオシド 35(0.150g、0.44mmol)の無水ジクロロエタン溶液(4ml)に加える。混合物をアルゴン雰囲気下、40℃で96時間攪拌する。対称的なジスルフィドが徐々にベージュ色の沈殿物の形状で現れ、一方、二番目の生成物は溶液中に残っている。リン酸塩緩衝溶液(0.5M、pH7、2ml)で30分間加水分解した後、溶媒を蒸発させ乾燥する。ジクロロメタン−メタノール(98:2次いで95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために得られる残渣をジクロロメタンの最小量に溶解する。対称的なジスルフィド 36をこのように白い粉末状で得る(27mg、0.04mmol、21%)。前記のブロモシリル化誘導体 36−1を白い粉末状で得る(42mg、0.1mmol、25%)。
【0168】
対称的なジスルフィド 36
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.63 (1H, s, 6−H), 6.12 (1H, dd, J=6.5Hz, J=4.0Hz, 1’−H), 4.05 (1H, s, 4’−H), 3.97 (1H, dd, J=2.4Hz, J=12.3Hz, 5’−H), 3.86 (1H, dd, J=2.7Hz, J=12.3Hz, 5’−H), 3.66 (1H, m, 3’−H), 2.61 (2H, m, 2’−H×2).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 160.3 (C2), 150.1 (C4), 140.7 (C6), 96.3 (C5), 86.2 (C1’), 85.3 (C4’), 60.0 (5’−CH), 45.3 (2’−C), 38.3 (C3’).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NBA): m/z=645 [M+H]
ブロモシリル化誘導体 36−1
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.41 (1H, s, 6−H), 6.09 (1H, dd, J=6.7Hz, J=3.2Hz, 1’−H), 4.14 (1H, s, 5’−H), 4.93 (2H, m, 4’−Hand 5’−H), 3.95 (1H, m, 3’−H), 2.66 (2H, m, S−CH), 2.60−2.44 (2H, m, 2’−H×2), 1.28 (1H, t, 5’−OH), 0.88 (2H, m, CH−Si), −0.02 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl), d 158.8 (C2), 149.3 (C4), 140.4 (C6), 96.1 (C5), 86.3 (C1’), 86.2 (C4’), 60.8 (5’−CH), 41.2 (2’−CH), 39.6 (C3’), 27.6 (S−CH), 17.5 (CH−Si), −1.5 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NBA) m/z=423 [M+H]
以下の実施例部分で、参照例37〜43により特定される式(III’)の混合ジスルフィド調製の合成手順を説明する。
【0169】
手順 D
3(1当量)をあらかじめアルゴン雰囲気下で散布により脱水したTHF/リン酸塩緩衝溶液に溶解させ、あらかじめチオール(10当量)のアルゴン雰囲気下(1当量)で散布により脱水した5%リン酸塩緩衝溶液(pH=9.5)に加える。溶液を2時間アルゴン雰囲気下で攪拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。
【0170】
手順 E
3(1当量)をあらかじめアルゴン雰囲気下で散布により脱水したTHF/リン酸塩緩衝溶液に溶解させ、あらかじめチオール(10当量)のアルゴン雰囲気下(q.s.0.5mol.l−1の濃度まで)で散布により脱水したイミダゾール緩衝溶液(10−3M、pH=6.0、イオン強度1M)に加える。溶液を15時間アルゴン雰囲気下で攪拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をジクロロメタン−メタノール(90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。
【0171】
手順 F
3(1当量)をあらかじめアルゴン雰囲気下で散布により脱水したTHF/リン酸塩緩衝溶液に溶解させ、あらかじめチオール(1当量)のアルゴン雰囲気下(1当量)で散布により脱水したイミダゾール緩衝溶液(pH=6.0、イオン強度1M)溶液に加える。溶液を15時間アルゴン雰囲気下で攪拌する。ジクロロメタンを加え、次いで有機層を水(5mL)で洗浄する。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ乾燥するために合わせる。残渣をジクロロメタン−メタノール(90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製し対称的なジスルフィドを得る。水層を蒸発させ乾燥し、次いで混合ジスルフィドを得るべく、残渣をクロマトグラフで精製するために水/メタノール(90:10)混合の逆層に溶解する。
【0172】
アリル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 37
【0173】
【化45】

【0174】
手順D
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3(70mg、0.17mmol)/テトラヒドロフラン10ml
アリルチオール(476μl、2.5mmol)/リン酸塩緩衝溶液425μl
薄い黄色の油状の37(45mg、0.14mmol、80%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.56 (1H, s, NH), 7.53 (1H, s, 6−H), 6.1 (1H, dd, J=4.8Hz, J=6.8Hz, 1’−H), 5.90−5.81 (1H, m, Hallyl), 5.26−5.20 (2H, m, 2Hallyl), 4.09−4.01 (2H, m, 4’−Hand 5’−H), 3.90 (1H, m, 5’−H), 3.62 (1H, m, 3’−H), 3.90 (2H, m, CH−S allyl), 2.55 (2H, m, 2’−H×2), 1.93 (3H, s, 5−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.3 (C2), 150.0 (C4), 136.5 (C6), 134.1 (CH−allyl), 117.2 (CH−allyl), 110.8 (C5), 85.8 (C1’), 85.4 (C4’), 45.2 (C3’), 61.5 (5’−CH), 38.2 (2’−CH), 34.7 (CH−S), 12.5 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 331 [M+H]
3’−デオキシチミジン−3’−イル 2−ヒドロキシエチル ジスルフィド 38
【0175】
【化46】

【0176】
手順E
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3(100mg、0.24mmol)/テトラヒドロフラン2.5mlおよびイミダゾール緩衝溶液2.5ml
メルカプトエタノール(170μl、2.43mmol)/イミダゾール緩衝溶液5ml
白い粉末状の38(41mg、0.043mmol、50%)
白い粉末状のビス(3’−ジデオキシチミジン−3’−イル)ジスルフィド 34(14mg、0.027mmol、23%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.25 (1H, s, NH), 7.59 (1H, s, 6−H), 6.08 (1H, dd, J=5.2Hz, J=6.4Hz, 1’−H), 4.12−4.00 (3H, m, 4’−Hand 5’−H×2), 3.94 (2H, m, CH−OH), 3.73 (1H, m, 3’−H), 3.01−2.93 (2H, m, CH−S), 2.54 (2H, m, 2’−H×2), 1.94 (3H, s, 5−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 165.0 (C2), 150.8 (C4), 136.8 (C6), 109.7 (C5), 85.6 (C4’), 84.5 (C1’), 60.6 (5’−CH), 59.8 (CH−OH), 45.4 (C3’), 41.8 (CH−S), 37.9 (2’−CH), 11.0 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 335 [M+H]
2−アミノエチル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 塩酸塩 39
【0177】
【化47】

【0178】
手順F
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3(50mg、0.12mmol)/テトラヒドロフラン2mlおよびイミダゾール緩衝溶液2ml
2−アミノエタンチオール 塩酸塩(28mg、0.24mmol)/イミダゾール緩衝溶液400μl
白い粉末状の39(9mg、0.043mmol、20%)
白い粉末状のビス(3’−ジデオキシチミジン−3’−イル)ジスルフィド 34(15mg、0.012mmol、48%)
H NMR (400MHz, DO) d 7.54 (1H, s, 6−H), 6.08 (1H, dd, J=4.4Hz, J=7.2Hz, 1’−H), 4.02 (1H, m, 4’−H), 3.87 (1H, dd, J=2.8Hz, J=12.8Hz, 5’−H), 3.76 (1H, dd, J=2.8Hz, J=12.8Hz, 5’−H), 3.52 (1H, m, 3’−H), 3.30 (2H, m, CH−NH), 2.93 (2H, m, CH−S), 2.60−2.43 (2H, m, 2’−H×2), 1.80 (3H, s, 5−CH).
13C NMR(100MHz, DO) d 166.4 (C2), 151.5 (C4), 137.5 (C6), 111.1 (C5), 85.1 (C4’), 84.8 (C1’), 60.5 (5’−CH), 45.1 (C−3’), 37.8 (CH−NH), 36.9 (2’−CH), 35.0 (CH−S), 11.5 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 335 [M+H]
ブチル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 40
【0179】
【化48】

【0180】
手順D
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3(40mg、0.097mmol)/テトラヒドロフラン6ml
ブタンチオール(107μl、0.97mmol)/リン酸塩緩衝溶液243μl
白い粉末状の40(15mg、0.043mmol、45%)
白い粉末状のビス(3’−ジデオキシチミジン−3’−イル)ジスルフィド 34(6mg、0.012mmol、24%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.56 (1H, s, NH), 7.54 (1H, s, 6−H), 6.12 (1H, dd, J=4.4Hz, J=6.8Hz, 1’−H), 4.10−4.02 (2H, m, 4’−Hand 5’−H), 3.90 (1H, m, 5’−H), 3.60 (1H, m, 3’−H), 2.75 (2H, m, CH−S), 2.64−2.51 (2H, m, CH ×2), 1.93 (3H, s, 5−CH), 1.68 (2H, m, S−CH−CH), 1.43 (2H, m, CH−CH), 0.95 (2H, m, CH−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.3 (C2), 150.0 (C4), 136.5 (C6), 110.8 (C5), 85.8 (C1’), 85.4 (C4’), 61.5 (5’−CH), 45.2 (C3’), 39.8 (CH−S), 38.2 (2’−CH), 31.2 (S−CH−CH), 21.5 (CH−CH), 13.6 (CH−CH), 12.5 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NBA matrix): m/z 347 [M+H], 369 [M+Na]
3’−デオキシチミジン−3’−イル ヘキシル ジスルフィド 41
【0181】
【化49】

【0182】
手順D
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3(34mg、0.083mmol)/テトラヒドロフラン6ml
ヘキサンチオール(123μl、0.83mmol)/リン酸塩緩衝溶液243μl
白い粉末状の41(22mg、0.059mmol、71%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.66 (1H, s, NH), 7.56 (1H, s, 6−H), 6.12 (1H, dd, J=4.7Hz, J=7.2Hz, 1’−H), 4.10−4.01 (2H, m, 4’−Hand 5’H), 3.90 (1H, m, 5’−H), 3.60 (1H, m, 3’−H), 2.70 (2H, m, CH−S), 2.64−2.48 (2H, m, 2’H×2), 1.92 (3H, s, 5−CH), 1.68 (2H, m, CH−CH−S), 1.44−1.25 (6H, m, CH−CH−CH), 0.91 (3H, m, CH−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.4 (C2), 150.1 (C4), 133.4 (C6), 110.8 (C5), 85.8 (C1’), 85.5 (C4’), 61.5 (5’−CH), 45.3 (C3’), 40.2 (CH−S), 38.2 (2’−CH), 31.3 (1C, CH), 29.1 (CH−CH−S), 28.0, 22.4 (2C, CH), 13.9 (CH−CH), 12.4 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 375 [M+H]
3’−デオキシチミジン−3’−イル オクチル ジスルフィド 42
【0183】
【化50】

【0184】
手順E
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3(75mg、0.18mmol)/テトラヒドロフラン2.5mlおよびイミダゾール緩衝溶液2.5ml
オクタンチオール(316μl、1.82mmol)/イミダゾール緩衝溶液5ml
白い粉末状の42(12mg、0.030mmol、16%)
白い粉末状のビス(3’−ジデオキシチミジン−3’−イル)ジスルフィド 34(30mg、0.027mmol、65%)
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.66 (1H, s, NH), 7.68 (1H, s, 6−H), 6.13 (1H, dd, J=4.4Hz, J=6.8Hz, 1’−H), 4.09−3.88 (3H, m, 4’−Hand 5’H×2), 3.60 (1H, m, 3’−H), 2.73 (2H, m, CH−S), 2.74−2.51 (2H, m, 2’H×2), 1.93 (3H, s, 5−CH), 1.68 (2H, m, CH−CH−S), 1.39−1.20 (10H, m, CH−CH−CH−CH−CH), 0.90 (3H, m, CH−CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.5 (C2), 150.1 (C4), 136.5 (C6), 110.8 (C5), 85.8 (C1’), 85.4 (C4’), 61.4 (5’−CH), 45.2 (C−3’), 40.1 (CH−S), 38.1 (2’−CH), 31.7 (CH), 29.2 (CH−CH−S), 29.1, 28.4, 22.6 (4C, CH), 14.0 (CH−CH), 12.5 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 403 [M+H]
3’−デオキシチミジン−3’−イル 6−ヒドロキシヘキシル ジスルフィド 43
【0185】
【化51】

【0186】
手順D
3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3(55mg、0.13mmol)/テトラヒドロフラン6ml
6−メルカプトヘキサノール(183μl、1.34mmol)/リン酸塩緩衝溶液334μl
白い粉末状の43(37mg、0.094mmol、71%)
H NMR (400MHz, MeOD) d 7.94 (1H, s, 6−H), 6.16 (1H, dd, J=4.8Hz, J=6.8Hz, 1’−H), 4.02−3.92 (2H, m, 4’−Hand 5’H), 3.81 (1H, m, 5’−H), 3.58 (3H, m, 3’−H+CH−OH), 2.79 (2H, m, CH−S), 2.62−2.42 (2H, m, 2’H×2), 1.90 (3H, s, 5−CH), 1.74 (2H, m, CH−CH−S), 1.56 (2H, m, CH−CH−OH), 1.44 (4H, m, CH−CH).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 162.2 (C2), 150.8 (C4), 136.8 (C6), 109.8 (C5), 85.6 (C4’), 84.5 (C1’), 61.4 (CH−OH), 60.6 (5’−CH), 45.4 (C−3’), 39.2 (CH−S), 38.0 (2’−CH), 32.0 (CH−CH−OH), 28.7 (CH−CH−S), 27.8, 25.0 (2C, CH), 11.0 (5−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane): m/z 391 [M+H]
以下の実施例部分で、参照例 44により特定される新規なビニルチオールを得るための合成手順を説明する。
【0187】
ビニルチオール 44およびビス(2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル)ジスルフィド 45の調製
【0188】
【化52】

【0189】
DTT(2.1mg、0.03mmol)を21(10mg、0.03mmol)の重水素化メタノール溶液に加える。溶液を15分間攪拌し、次いでプロトンNMRスペクトルを記録する。ビニルチオール 44に対応する単一の最初の生成物の急速形成が観察される(原料の50%混合物として)。引き続き反応を、4時間毎にNMRにより測定する。ビニルチオール/原料(70/30)の混合物は定常状態に達する。菅の底に生成物が沈殿する。溶液のNMRスペクトルは4−ニトロフェニル基により運ばれる芳香族プロトンの消失を示し、一方、得られた沈殿物は芳香族プロトンの存在のみを示す。
【0190】
菅は引き続き室温で保管する。終夜放置した後、ビニルチオールは実質的には完全に、対応する対称的なジスルフィド 45に変換する。
【0191】
ビニルチオール 44
H NMR (400MHz, MeOD) d 7.90 (1H, d, J=8.0Hz, 6−H), 7.06 (1H, m, 1’−H), 6.55 (1H, m, 3’−H), 5.72 (1H, d, J=8.4Hz, 5−H), 4.93 (1H, s, 4’−H), 3.73 (2H, m, 5’−H×2).
対称的なジスルフィド 45
H NMR (400MHz, MeOD) d 7.88 (1H, d, J=8.0,Hz, 6−H), 6.83 (1H, m, 1’−H), 6.22 (1H, m, 3’−H), 5.75 (1H, d, J=8.0Hz, 5−H), 4.91 (1H, s, 4’−H), 3.71 (2H, m, 5’−H×2).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NBA) m/z=242 [M/2+H]
以下の実施例部分で、中間体化合物としての式(IIa)および(IIb)の化合物の合成を説明する。
【0192】
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 14
【0193】
【化53】

【0194】
4,4’−ジメトキシトリチル 塩酸塩(1.99g、5.87mmol)を、0℃、アルゴン雰囲気下に保ち、2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 46(2.51g、6.68mmol)の無水ピリジン溶液(15ml)に加える。24時間後、溶媒を蒸発させトルエンで共蒸発させる。残渣をジクロロメタンに溶解し、溶液を水(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。蒸発させ乾燥した後、生成物を2%トリエチルアミンと共にジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製すると、白い固体状が存在する(3.46g、5.11mmol、76%)。
【0195】
トリエチルアミン(2.14ml、1.53mmol)および次いで塩化メシル(0.88g、7.71mmol)をこの保護された化合物に加え、あらかじめ25mlのジクロロメタンに溶解する。室温で15時間後、水5mlを加え、溶媒を蒸発させる。得られる残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、水(500ml)で洗浄し、蒸発させ乾燥する前に硫酸マグネシウムで乾燥する。得られた残渣(2.71g、4mmol)を2%ジクロロ酢酸のジクロロメタン30mlで処理する。この溶液を重炭酸ナトリウム溶液(5%、80ml)で中性化する前に、アルゴン雰囲気で30分間攪拌する。水層をジクロロメタン(100ml)で抽出し、有機層を蒸発させ乾燥する前に硫酸ナトリウムで乾燥する。結果として生成物 14(1.21g、2.67mmol、2段階で45%)となるように、残渣をジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。この化合物(297mg、0.66mmol)を15mlのアセトニトリルに溶解し、炭酸カリウム(525mg、3.8mmol)を加える。90℃で3日間の後、溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルで精製すると、白い固体状の生成物 14が存在する(198mg、55mmol、84%)。4段階の総括反応で生じるのは28%である。
【0196】
M.p.(融点):69°C
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.73 (1H, s, NH), 7.38 (1H, s, 6−H), 6.94 (1H, m, 1’−H), 5.81 (1H, s, 3’−H), 4.98 (1H, s, 4’−H), 3.97−3.74 (2H, m, 5’−H), 2.85 (2H, m, S−CH), 1.87 (3H, s, 5−CH), 0.94 (2H, m, CH−Si), 0.07 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, DMSO) d 164.0 (C2), 150.6 (C4), 136.9 (C6), 135.2 (C2’), 123.5 (C3’), 110.9 (C5), 90.3 (C1’), 87.4 (C4’), 63.5 (5’−CH), 28.5 (S−CH), 16.3 (CH−Si), 12.4 (CH), −1.8 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 357 [M+H]
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 18
【0197】
【化54】

【0198】
化合物 47(3.716g、7.24mmol)を50mlのアセトニトリルに溶解し、炭酸カリウム(6.04g、43.44mmol)を加える。90℃で3日間の後、溶媒を蒸発させ、ジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルで精製すると、生成物 18が白い固体状 18で存在する(2.55g、7.44mmol、85%)。
【0199】
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.30 (1H, s, NH), 7.61 (1H, d, J=8Hz, 6−H), 6.94 (1H, m, 1’−H), 5.81 (1H, s, 3’−H), 5.70 (1H, d, J=8Hz, 5−H), 4.99 (1H, m, 4’−H), 3.94−3.74 (2H, m, 5’−H×2), 2.85 (2H, m, S−CH), 0.94 (2H, m, CH−Si), 0.09 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 164.1 (C2), 150.8 (C4), 141.3 (C6), 134.9 (C2’), 123.6 (C3’), 102.5 (C5), 90.2 (C1’), 87.5 (C4’), 63.4 (5’−CH), 28.4 (S−CH), 16.2 (CH−Si), −1.9 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 343 [M+H]
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 19
【0200】
【化55】

【0201】
メタノール溶液中のフッ化アンモニウム(813μl、0.5M、0.41mmol)を50に加える(0.150g、0.31mmol)。溶液を6時間還元し、次いで終夜かけて室温に戻す。溶媒を蒸発させ、次いでジクロロメタン−メタノール(90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーにより最終生成物の乾燥沈殿層が生成する。誘導体 19(0.81g、0.24mmol、76%)をこのように白い発泡体で得る。
【0202】
M.p.(融点): 91−115°C (decomposition)
H NMR (400MHz, MeOD) d 7.86 (1H, d, J=7.6Hz, 6−H), 6.99 (1H, m, 1’−H), 5.94 (1H, bs, 3’−H), 5.89 (1H, d, J=7.6Hz, 5−H), 4.90 (1H, m, 4’−H), 3.73 (2H, m, 5’−H×2), 2.89 (2H, m, S−CH), 0.95 (2H, m, CH−Si), 0.07 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, MeOD), d 166.2 (C4), 157.3 (C2), 142.1 (C6), 135.4 (C2’), 123.9 (C3’), 95.1 (C5), 90.6 (C1’), 87.4 (C4’), 62.8 (5’−CH), 27.6 (S−CH), 15.9 (CH−Si), −3.3 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 342 [M+H]
3043SSi×0.7HOの微量元素分析:
理論値 C 48.55; H 7.13; N 11.58; S 8.84.
測定値 C 48.26; H 7.15; N 11.59; S 9.08.
3’−デオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン スルホキシド 28
【0203】
【化56】

【0204】
過ヨウ素酸ナトリウム(0.06g、0.28mmol)の水溶液(700μl)を、0℃で1(0.1g、0.28mmol)のメタノール溶液(1.4ml)に加える。反応混合物を終夜かけて室温に戻す。沈殿物を脱脂綿パッドでろ過し、次いでろ液を真空下で蒸発させる。得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、2つの分離できない白い粉末状のジアステレオ異性体 28(0.104g、0.16mmol、定量的)を得る。
【0205】
比 43A/57B
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.80 (2H, bs, 2×NH), 7.57 (1H, s, 6−HA), 7.40 (1H, s, 6−HB), 5.98 (1H, m, 1’−HA), 5.87 (1H, dd, J=7.5Hz, J=4.6Hz, 1’−HB), 4.60 (1H, m, 4’−HA), 4.32 (1H, m, 4’−HB), 4.08−4.05 (2H, m, 5’−HA, 5’−HB), 3.86−3.80 (2H, m, 5’−HA, 5’−HB), 3.70 (2H, m, 3’−HA, 3’−HB), 3.06 (1H, m, 2’−HB), 2.76−2.50 (4H, m, S−CH), 2.48−2.44 (3H, m, 2’−H×2 A, 2’−HB), 1.89 (6H, bs, 5−CH A, 5−CH B), 1.04 (2H, m, CH−Si A, CH−Si B), 0.83 (2H, m, CH−Si A, CH−Si B), 0830.06 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 164.1 (C2A, B), 150.5 (C4 A, B), 138.0 (C6’ B), 136.8 (C6’A), 110.8 (C5 A, B), 88.9 (C1’ B), 87.0 (C1’ A), 81.4 (C4’ A, B), 63.3 (5’−CH), 61.5 (5’−CH), 56.7 (C3’), 55.6 (C3’), 47.0 (S−CH), 46.9 (S−CH), 33.8 (C2’ A), 27.6 (C2’ B), 12.4 (5−CH A, B), 9.7 (CH−Si), 8.8 (CH−Si), −2.0 (Si(CH×2).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 375 [M+H]
2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン スルホキシド 32
【0206】
【化57】

【0207】
過ヨウ素酸ナトリウム(119mg、0.55mmol)の水溶液(2.8ml)を、0℃で2’-デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 5(0.2g、0.55mmol)のメタノール溶液(5.5ml)に加える。反応混合物を終夜かけて室温に戻す。沈殿物を脱脂綿パッドでろ過し、次いでろ液を真空下で蒸発させる。得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(90:10)混合のシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製する。2つのジアステレオ異性体32aおよび32bを白い粉末状で得る(1:0.080g;0.21mmol;2:0.065g;0.17mmol;55/45;70%)。
【0208】
ジアステレオ異性体 32a(S 立体配置)
H NMR (400MHz, CDOD) d 8.15 (1H, d, J=8.0Hz, 6−H), 6.48 (1H, d, J=8.0Hz, 1’−H), 5.81 (1H, d, J=8.0Hz, 5−H), 4.74 (1H, m, 4’−H), 4.13 (1H, m, 3’−H), 3.86 (1H, m, J=8.4Hz, J=5.6Hz, 2’−H), 3.79(2H, m, 5’−H×2), 2.98 (2H, m, S−CH), 0.88 (2H, m, CHSi), −0.05 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDOD) d 164.1 (C2), 150.8 (C4), 140.9 (C6), 102.7 (C5), 87.7 (C3’), 82.7 (C1’), 72.7 (C4’), 66.9 (C2’), 61.5 (5’−CH), 44.6 (S−CH), 7.7 (CH−Si), −3.5 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 377 [M+H]
ジアステレオ異性体 32b(R 立体配置)
H NMR (400MHz, CDOD) d 7.91 (1H, d, J=8.0Hz, 6−H), 6.69 (1H, d, J=8.0Hz, 1’−H), 5.81 (1H, d, J=8.2Hz, 5−H), 4.74 (1H, m, 4’−H), 4.13 (1H, m, 3’−H), 3.77 (1H, dd, J=8.4Hz, J=5.6Hz, 2’−H), 3.79 (2H, m, 5’−H), 2.75 (2H, m, S−CH), 1.04 (1H, m, CHSi), 0.80 (1H, m, CHSi), 0.88 (2H, m, CHSi), 0.10 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDOD) d 164.5 (C2), 150.2 (C4), 141.5 (C6), 102.0 (C5), 85.7 (C4’), 83.5 (C1’), 69.7 (C3’), 65.6 (C2’), 60.1 (5’−CH), 45.4 (S−CH), 8.7 (CH−Si), −3.4 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 377 [M+H]
2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 35
【0209】
【化58】

【0210】
2−(トリメチルシリル)エタンチオール(980μl、7.02mmol)のDMF溶液(8ml)を水素化ナトリウム(60%、234mg、7.02mmol)の無水DMF(8ml)懸濁液に加える。この混合物を攪拌し、そして15分間アルゴン雰囲気下で置き、次いで誘導体51(3g、5.85mmol)を加える。アルゴン雰囲気下90℃で24時間後、未反応の水素化ナトリウムを3mlのメタノールで中性化し、溶媒を減圧下蒸発させる。残渣を引き続きジクロロメタン(100ml)に溶解し、溶液をNaHPO溶液(10%、10ml)で中性化し、水(100ml)で洗浄し、蒸発させ乾燥する前に硫酸ナトリウムで乾燥する。1%トリエチルアミンを含むジクロロメタン−酢酸エチル(8:2)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために残渣をジクロロメタンに溶解し、硫化物を黄色の発泡体で得る。
【0211】
得られた薄い黄色の発泡体をジクロロ酢酸のジクロロメタン溶液(2%、80ml)に溶解する。得られたオレンジ色の溶液を重炭酸ナトリウム溶液(5%、30ml)で中性化する前に、攪拌し、そして4時間アルゴン雰囲気下で置く。水層をジクロロメタン(50ml)で抽出し、有機層を蒸発させ乾燥する前に硫酸ナトリウムで乾燥するために合わせる。ジクロロメタン−酢酸エチル(6:4)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、残渣をジクロロメタンに溶解し、硫化物 35(1.06g、3.08mmol、56%(2段階))を白い固体状で得る。
【0212】
M.p.(融点): 148°C
H NMR (400MHz, CDCl) d 9.47 (1H, s, NH), 7.82 (1H, d, J=8.4Hz, 6−H), 6.12 (1H, dd, J=7.0Hz, J=3.6Hz, 1’−H), 5.73 (1H, d, J=8.4Hz, 5−H), 4.05 (1H, m, 3’−H), 3.85 (2H, m, 5’−H×2), 3.47 (1H, m, 4’−H), 2.64−2.50 (4H, m, 2’−H×2, S−CH), 0.84 (2H, m, CH−Si), −0.02 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.9 (CO), 150.4 (CO), 140.9, 101.9, 86.2, 85.7, 61.0 (5’−CH), 40.7, 40.1 (2’−CH), 27.5 (S−CH), 17.4 (CH−Si), −1.8 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, glycerol) m/z=345 [M+H]
1424SSi×0.33HOの微量元素分析:
理論値 C 47.97; H 7.09; N 7.99; S 9.15.
測定値 C 47.82; H 7.13; N 7.79; S 9.66.
2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 46
【0213】
【化59】

【0214】
2−(トリメチルシリル)エタンチオール(3.5g、26mmol)を2,2’−無水チミジン(5g、22mmol)および無水炭酸カリウム(11g、79mmol)のDMF懸濁液(110ml)に加える。溶液を攪拌し、アルゴン雰囲気下、120℃で3時間置く。ろ過およびジクロロメタンで無機塩類を洗い流した後、溶媒を減圧下蒸発させ、黄色の油状物を得る。この残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。硫化物 46を白い固体状で得る(6.9g、19mmol、88%)。
【0215】
M.p.(融点): 58−60°C
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.73 (1H, s, NH), 7.25 (1H, d, J=8.0Hz, 6−H), 5.46 (1H, d, J=9.2Hz, 1’−H), 4.36 (1H, m, 3’−H), 4.24 (1H, m, 4’−H), 3.99 (2H, m, 2’H+ 5’−H), 3.81 (1H, m, 5’−H), 2.60 (2H, m, S−CH), 1.96 (3H, s, 5−CH), 0.85 (2H, m, CHSi), −0.02 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.4 (C2), 150.5 (C4), 138.87 (C6), 111.4 (C5), 93.3 (C1’), 86.6 (C4’), 71.5 (C3’), 63.1 (5’−CH), 52.8 (C2’), 28.4 (S−CH), 18.1 (CH−Si), 12.4 (CH), −1.8 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 375 [M+H]
392 [M+H+NH
2’−デオキシ−3’−(O−メシル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 47
【0216】
【化60】

【0217】
4,4’−ジメトキシトリチル 塩酸塩(5.20g、15.3mmol)をアルゴン雰囲気下で0℃を維持し、2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 5(3g、13.8mmol)、式(IIa)の化合物の無水ピリジン溶液(50mL)に加える。24時間後、溶媒を蒸発させ、トルエンで共蒸発させる。残渣をジクロロメタンに溶解し、溶液を水(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥する。蒸発させ乾燥した後、2%トリエチルアミンを含むジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルで生成物を抽出すると、白い固体状が存在する(7.23g、10.91mmol、91%)。
【0218】
塩化メシル(1ml、12.85mmol)をあらかじめ50mlの無水ピリジンに溶解したこのトリチル化化合物(7.1g、10.71mmol)に加える。溶液をアルゴン雰囲気下0℃で1時間維持し、次いで15時間かけて室温に戻す。5mlの水を引き続き加え、溶媒を蒸発させる。得られる残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、溶液を水(50ml)で洗浄し、蒸発させ乾燥する前に硫酸マグネシウムで乾燥する。
【0219】
得られた残渣(8.36g、11.28mmol)を20mlのジクロロメタンに溶解し、ジクロロ酢酸の2%ジクロロメタン80mlで処理する。この溶液を重炭酸ナトリウム溶液(5%、80ml)で中性化する前に4時間攪拌する。水層をジクロロメタン(100ml)で2回抽出し、有機層を合わせ、蒸発させ乾燥する前に硫酸マグネシウムで乾燥する。残渣をジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルで精製し、生成物 47(3.716g、7.24mmol、すなわち3段階で71%)となる。
【0220】
H NMR (400MHz, CDCl) d 7.50 (1H, d, J=8.0Hz, 6−H), 5.83 (1H, d, J=8.1Hz, 5−H), 5.70 (1H, d, J=9.3Hz, 1’−H), 5.31 (1H, m, 3’−H), 4.47 (1H, bs, 4’−H), 4.04 (1H, dd, J=9.3Hz, J=5.5Hz, 2’−H), 3.93 (2H, m, 5’−H×2), 3.18 (3H, s, CH), 2.58 (2H, m, S−CH), 0.80 (2H, m, CHSi), 0.01 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 162.4 (C2), 150.3 (C4), 142.5 (C6), 103.2 (C5), 93.9 (C1’), 85.5 (C4’), 81.9 (C3’), 62.2 (5’−CH), 48.7 (C2’); 38.5 (CH, Ms), 28.2 (S−CH), 17.8 (CH−Si), −1.9 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane m/z 439 [M+H], 456 [M+H+Na]
5’−O−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 48
【0221】
【化61】

【0222】
化合物 6(1g、2.78mmol)を無水ピリジン(15ml)に0°C、アルゴン雰囲気下で溶解する。15分後、tert−ブチルジフェニルシリル塩化物(870μl、3.34mmol)を加え、混合物を48時間攪拌する。蒸発およびトルエンで共蒸発させ、得られる残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、次いで水(50ml)で洗浄する。有機層を引き続き硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発およびトルエン(100ml)で共蒸発させる。得られた固体をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白い粉末状の化合物 48(1.37g、2.29mmol、83%)を得る。
【0223】
M.p.(融点): 126°C
H NMR (400MHz, CDCl) d 7.89 (1H, d, J=7.2Hz, 6−H), 7.69−7.65 (4H, m, Ar), 7.51−7.37 (6H, m, Ar), 6.28 (1H, d, J=6.8Hz, 1’−H), 5.50 (1H, d, J=7.6Hz, 5−H), 4.41 (1H, m, 3’−H), 4.08−4.03 (2H, m, 5’−H×2), 3.85 (1H, m, 4’−H), 3.47 (1H, m, 2’−H), 2.65 (2H, m, S−CH), 1.16 (9H, s, tBu), 0.86 (2H, m, CH−Si), 0.08 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 165.6 (C4), 155.9 (C2), 140.7 (C6), 135.6 (2C, Ar), 135.3 (2C, Ar), 132.7 (1C, Ar), 132.1 (1C, Ar), 130.1 (1C, Ar), 130.01 (1C, Ar), 127.91 (2C, Ar), 127.91 (2C, Ar), 95.1 (C5), 88.2 (C1’), 85.2 (C4’), 70.3 (C3’), 63.8 (5’−CH), 56.0 (C2’), 28.2 (S−CH), 26.9 ((CH), 18.4 (C (CH), 17.8 (CH−Si), −1.8 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NAB+NaCl) m/z 598 [M+H], 620 [M+Na], 112 [cytosine+H]
3043SSiの微量元素分析:
理論値 C 60.26; H 7.25; N 7.03; S 5.36.
測定値 C 60.03; H 7.38; N 6.82; S 5.32.
N−4−ベンゾイル3’−(O−メシル)−5’−(O−tert−ブチル−ジフェニルシリル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 49
【0224】
【化62】

【0225】
安息香酸無水物(497mg、2.2mmol)を48(1.3g、2.2mmol)の無水DMF(15ml)溶液に加える。混合物を24時間還流し、次いで0.2当量の無水物を再び加える。翌日、溶媒を蒸発させ、次いで残渣を2回水で抽出するためにジクロロメタンに溶解する。
【0226】
塩化メシル(194μl、2.5mmol)を0℃、アルゴン雰囲気下でピリジン(15ml)に加える。混合物を15時間攪拌し、次いで0℃で水(15ml)を追加することにより中性化する。30分後、溶媒を蒸発させ、残渣をトルエンで共蒸発させる。このトリチル化化合物(7.1g、10.71mmol)に加える。引き続き水(50ml)で洗浄するために、ジクロロメタンに溶解し、蒸発させ乾燥する前に硫酸マグネシウムで乾燥する。得られた発泡体をジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白い固体状の49(1.57g、2.01mmol、2段階で91%)を得る。
【0227】
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.71 (1H, bs, NH), 8.41 (1H, d, J=7.4Hz, 6−H), 7.69−7.28 (15H, m, Ar), 7.68 (5H, m, Ar−H), 7.56−7.43 (10H, m, Ar−H), 7.27 (1H, d, J=7.6Hz, 5−H), 6.43 (1H, d, J=7.6Hz, 1’−H), 5.34 (1H, m, 3’−H), 4.43 (1H, m, 4’H), 4.09−3.95 (2H, m, J=1.9Hz, J=12.0Hz, 5’−H×2), 3.64 (1H, m, 2’−H), 3.15 (3H, s, CH, Ms), 2.65 (2H, m, S−CH), 1.16 (9H, s, tBu), 0.80 (2H, m, Si−CH), 0.04 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 169.5 (CO), 162.3 (C4), 150.1 (C2), 144.1 (C6), [135.6, 135.3, 133.2, 132.2, 131.58, 130.4, 130.3, 129.0, 128.3, 128.2, 127.6] (Ar), 97.9 (C5), 89.2 (C1’), 84.2 (C4’), 79.3 (C3’), 62.9 (5’−CH), 52.0 (C2’), 38.7 (CH Ms), 27.8 (S−CH), 27.1 ((CH), 17.5 (C (CH), 17.5 (CH−Si), −1.9 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NAB+NaCl) m/z 780 [M+H], 802 [M+Na]
3849Siの微量元素分析:
理論値 C58.51; H6.33; N5.39; S8.22.
測定値 C58.26; H6.45; N5.32; S8.45.
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5’−(O−tert−ブチルジフェニルシリル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 50
【0228】
【化63】

【0229】
アンモニア水(10ml)を49(1.4g、1.79mmol)のエタノール溶液に加える。溶液を室温で24時間攪拌する。溶媒を引き続き蒸発させ、残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白い固体(1.15g、1.71mmol、95%)を得る。
【0230】
炭酸カリウム(1.24g、8.82mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解した生成物(1g、1.47mmol)に加え、次いで反応混合物を室温でアルゴン雰囲気下48時間保つ。無機塩類をセライトろ過により除去し、溶媒を蒸発させる。ジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために生成物をジクロロメタンに溶解する。誘導体 50(0.510g、1.06mmol、72%)をこのようにして白い発泡体で得る。
【0231】
M.p.(融点):122−123°C
H NMR (400MHz, CDCl) d 7.66 (4, m, Ar), 7.57 (1H, d, J=7.6Hz, 6−H), 7.42 (6H, m, Ar), 7.12 (1H, m, 1’−H), 5.74 (1H, m, 3’−H), 5.28 (1H, d, J=7.6Hz, 5−H), 4.92 (1H, m, 4’−H), 4.08−4.03 (2H, m, J=3.2Hz, J=12.0Hz, 5’−H×2), 2.82 (2H, m, S−CH), 1.09 (9H, 2, tBu), 0.96 (2H, m, CH−Si), 1.01 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 165.5 (C4), 156.2 (C2), 141.9 (C6), 136.5 (Ar), 135.5 (C2’), 133.4 (Ar), 129.9 (Ar), 127.8 (Ar), 122.9 (C3’), 127.91 (2C Ar), 95.1 (C5), 90.4 (C1’), 86.5 (C4’), 65.7 (5’−CH), 28.2 (S−CH), 26.9 ((CH), 19.3 (C (CH), 16.4 (CH−Si), −1.8 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, NAB+NaCl) m/z 580 [M+H], 602 [M+Na]
3043SSi×0.5MeOHの微量元素分析:
理論値 C1.47; H7.27; N7.05; S5.38.
測定値 C61.49; H7.36; N7.05; S5.75.
2,3’−無水−2’−デオキシ−5’−O−(4,4’−ジメトキシトリチル)ウリジン 51
【0232】
【化64】

【0233】
4,4’−ジメトキシトリチル塩化物(5.39g、15.9mmol)をアルゴン雰囲気下で0°Cに保ち、2’−デオキシウリジン(3.3g、14.5mmol)の無水ピリジン(50ml)溶液に加える。混合物を1時間0℃で攪拌し、次いで24時間室温攪拌する。塩化メシル(1.35ml、17.4mmol)を加え、混合物を4時間反応する。水(5ml)を引き続き加え、30分後、溶媒を蒸発させ、トルエンで共蒸発させる。得られる残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、溶液を水(50ml)で洗浄し、蒸発させ乾燥する前に硫酸ナトリウムで乾燥する。1%トリエチルアミンを含むジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製するために、得られた黄色の発泡体を最小量のジクロロメタンに溶解する。
【0234】
得られた白い発泡体を無水アセトニトリル(60ml)に溶解し、炭酸カリウム(6g、43.1mmol)を加える。混合物をアルゴン雰囲気下48時間室温で攪拌し、次いでろ過する前に2時間還流する。ろ液を引き続き蒸発させ乾燥し、得られる残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、水(80ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。蒸発させた後、1%トリエチルアミンを含むジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで得られた固体を精製し、白い粉末状のトリチル化化合物 51(5.79g、11.3mmol、78%)を得る。
【0235】
M.p.(融点):255°C
H NMR (400MHz, CDCl) d 7.42−7.07 (10 H, m, Ar−H), 6.84−6.08 (3H, m, Ar−H), 5.90 (1H, d, J=7.36Hz, 6−H), 5.52 (1H, d, J=4.01Hz, 5−H), 5.15 (1H, m, 1’−H), 4.26 (1H, m, 3’−H), 3.79 (6H, s, 2×O−CH), 3.40−3.31 (2H, m, 5’−H×2), 2.61 (1H, m, 4’−H), 2.38 (2H, m, 2’H×2).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 171.0, 158.5, 153.5, 144.4, 139.1, 135.3, 135.3, 129.9, 127.9, 127.8, 126.8, 113.2, 109.5, 87.6, 86.7, 84.5, 61.9, 55.2 (O−CH), 32.7 (2’−CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, glycerol) m/z 513 [M+H]
3028×0.5HOの微量元素分析:
理論値 C69.09; H5.60; N5.37.
測定値 C68.99; H5.57; N5.37.
1−(3’−(2−(トリメチルシリル)エチルチオ)−b−D−キシロフラノース−1’−イル)チミン 52
【0236】
【化65】

【0237】
水素化ナトリウム(65%、1.10g、29.9mmol)を0°Cで2,2’−無水チミジン(0.6g、2.49mmol)の無水DMF(15ml)懸濁液(2−(トリメチルシリル)エタンチオール(0.75ml、3.96mmol)により、3時間室温でアルゴン雰囲気下攪拌した後)に加える。溶液を3時間アルゴン雰囲気下室温で攪拌する。反応混合物を引き続き0℃で置き、含水塩化アンモニウム溶液(10%、10ml)を加える。溶媒を減圧下蒸発させ、水(50ml)で2回洗浄するために、得られる残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解する。有機層を合わせ、蒸発させ乾燥する前に硫酸マグネシウムで乾燥する。黄色の得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。硫化物52を白い固体で得る(0.734g、1.96mmol、79%)。
【0238】
H NMR (400MHz, CDCl) d 10.34 (1H, s, NH), 7.66 (1H, s, 6−H), 5.68 (1H, bd, J=4.2Hz, 1’−H), 5.78 (1H, d, J=8.0Hz, 5−H), 4.55 (1H, m, 4’−H), 4.38 (1H, m, 2’−H), 3.91−3.87 (2H, m, 5’−H), 2.67 (2H, m, S−CH), 0.85 (2H, m, CHSi), −0.01 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 164.3 (C2), 151.3 (C4), 136.5 (C6), 110.4 (C5), 91.2 (C1’), 80.6 (C4’), 80.9 (C2’), 62.8 (5’−CH), 50.5 (C3’), 28.6 (S−CH), 16.2 (CH−Si), −1.8 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH/isobutane) m/z 375 [M+H]
2,2’−無水−5’−(O−ベンゾイル)−1−(3’−(2−(トリメチルシリル)エチルチオ)−b−D−キシロフラノース−1’−イル)チミン 53
【0239】
【化66】

【0240】
ジイソエチルアゾジカルボン酸(DEAD)(87μl、0.56mmol)を52(0.135g、0.36mmol)、トリフェニルホスフィン(0.144g、0.56mmol)および安息香酸(0.068g、0.56mmol)の無水THF(3ml)混合物に加える。混合物を攪拌し、1.5時間室温で置き、次いでトリフェニルホスフィン(0.144g、0.56mmol)およびDEAD(87μl、0.56mmol)を加える。3時間後、溶媒を蒸発させ、次いで得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(98:2)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。硫化物 53を処理前の状態で白い固体で得る(0.100g)。
【0241】
H NMR (400MHz, CDCl) d 7.51 (5H, m, Ar), 7.19 (1H, s, 6−H), 6.21 (1H, d, J=5.6Hz, 1’−H), 5.29 (1H, t, J=5.6Hz, J=11.6Hz, 2’−H), 4.83 (1H, m, 4’−H), 4.64 (1H, dd, J=4.4Hz, J=12.4Hz, 5’−H), 4.01 (1H, dd, J=3.2Hz, J=12.4Hz, 5’−H), 3.73 (1H, m, 3’−H), 2.75 (2H, m, S−CH), 0.92 (2H, m, CHSi), 0.03 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 172.2 (CO), 165.7 (C2), 159.4 (C4), 136.8 (C6), 132.1 (Ar), 130.4 (Ar), 129.6 (2CAr), 128.5 (2CAr), 119.1 (C5), 90.0 (C1’), 83.7 (C4’), 80.2 (C2’), 64.2 (5’−CH), 48.3 (C3’), 29.0 (S−CH), 17.6 (CH−Si), 13.9 (CH), −1.9 (Si(CH).
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 54
【0242】
【化67】

【0243】
炭酸カリウム(0.2g、1.44mmol)を化合物 53(0.1g、0.22mmol)の無水アセトニトリル溶液に加える。反応混合物をアルゴン雰囲気下15時間攪拌する。無機塩類を次いでセライトろ過により除去し、溶媒を蒸発させる。生成物を、メタノールに溶解し、次いでアンモニア水溶液(2ml)を加える。混合物を4時間反応させ、次いで溶媒を蒸発させる。残渣をジクロロメタン−メタノール(98:2、次いで95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。不飽和の化合物 54を白い固体で得る(0.02g、0.056mmol、16%)。
【0244】
H NMR (400MHz, CDCl) d 8.60 (1H, s, NH), 7.64 (1H, s, 6−H), 7.07 (1H, m, 1’−H), 5.3 (1H, s, 2’−H), 4.79 (1H, s, 4’−H), 3.98−3.78 (2H, m, 5’−H×2), 2.94 (2H, m, S−CH), 1.88 (3H, s, 5−CH), 1.02 (2H, m, CH−Si), 0.07 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, CDCl) d 163.9 (C2), 150.6 (C4), 144.4 (C2’), 136.8 (C6), 114.1 (C3’), 110.6 (C5), 89.5 (C1’), 87.7 (C4’), 62.4 (5’−CH), 28.8 (S−CH), 15.9 (CH−Si), 12.3 (CH), −1.9 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (DCI, NH−isobutane) m/z 357 [M+H], 373 [M+NH
2’,3−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 55
【0245】
【化68】

【0246】
無水酢酸(1.23ml)を0℃で35(0.3g、0.87mmol)の無水ピリジン溶液(3ml)に滴下する。溶液を室温で攪拌し、アルゴン雰囲気下で24時間置く。無水エタノール(1ml)を引き続き0℃で加える。30分後、溶媒を蒸発させ、得られる残渣をジクロロメタン(10ml)に溶解し、得られた溶液を水(10ml)で洗浄する。水層をジクロロメタン(15ml)で抽出し、有機層を引き続き合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ乾燥し、トルエン(10ml)で共蒸発させ、黄色の固体のアセチル化化合物を得る。
【0247】
1,2,4−トリアゾール(0.902g、13.06mmol)をアルゴン雰囲気下でPOCl(292μl、2.87mmol)の無水アセトニトリル溶液(5ml)に加える。溶液を0℃で15分間攪拌し、次いでトリエチルアミン(5ml、35.76mmol)を滴下する。得られた混合物を室温に戻し、終夜攪拌し、次いで前記アセトニトリル(5ml)に溶解し得られるアセチル化ヌクレオシド溶液を加える。混合物を室温で48時間攪拌し、次いで水(1ml)を加え、溶媒を蒸発させる。得られた黄色の油状物をジクロロメタン(10ml)に溶解し、溶液を重炭酸ナトリウム溶液(10%、2ml)で中性化し、次いで水(20ml)で洗浄する。有機層を引き続き硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発およびトルエン(10ml)で共蒸発させる。
【0248】
残渣をアンモニアのジオキサン溶液(50ml、0.5M)に溶解する。溶液を蒸発させ乾燥する前に48時間アルゴン雰囲気下で攪拌する。
【0249】
得られた黄色の固体をエタノール(10ml)に溶解し、濃縮したアンモニア水溶液(30%、10ml)を加える。12時間攪拌後、溶媒を蒸発させ、エタノールで共蒸発させる。得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(90:10)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。シチジン誘導体 55(0.25g、0.695mmol、80%)をこのように白い粉末状で得る。
【0250】
H NMR (400MHz, MeOD) d 7.45 (1H, d, J=7.5Hz, 6−H), 6.10 (1H, dd, J=10.0Hz, J=4.8Hz, 1’−H), 5.99 (1H, d, J=7.5Hz, 5−H), 3.95 (1H, m, 5’−H), 3.81 (1H, m, 4’−H), 3.80 (1H, m, 5’−H), 3.38 (1H, m, 3’−H), 2.70−2.50 (2H, m, 2’−H×2), 2.71−2.42 (2H, m, S−CH), 0.89 (2H, m, CH−Si), 0.05 (9H, s, Si(CH).
13C NMR (100MHz, MeOD) d 166.2 (C4), 156.7 (C2), 141.3 (C6), 94.0 (C5), 86.5 (C1’), 85.8 (C4’), 60.3 (5’−CH), 40.7 (2’−CH), 39.9 (C4’), 20.6 (S−CH), 16.9 (CH−Si), −3.2 (Si(CH).
MS(マススペクトロメトリー) (FAB+, glycerol): m/z=291 [M+H]
1425×0.6HOの微量元素分析:
理論値 C47.46; H7.45; N11.86; S9.05.
測定値 C47.65; H7.45; N11.64; S9.28.
以下の実施例部分で、本発明によるジスルフィドの調製上のフッ化物イオンの影響を説明する。
【0251】
触媒(0.2当量)または2−ニトロベンゼン−スルフェニル塩化物(32mg、0.17mmol)または触媒のみを、アルゴン雰囲気下を保ち、ヌクレオシド 18(20mg、0.06mmol)の無水ジクロロメタン溶液に加える。混合物を攪拌し、反応が完結していないことを確認するために終夜還流する。
【0252】
実験1:触媒なし(制御)
実験2:メタノール溶液(22μl、0.5M、0.012mmol)中、フッ化アンモニウムの存在下
実験3:メタノール溶液(22μl、0.5M、0.012mmol)中、フッ化アンモニウムの存在下であるが、2−ニトロベンゼンスルフェニル塩化物を加えない
実験4:臭化アンモニウム(1mg、0.012mmol)の存在下
溶媒を蒸発させ、プロトンNMR中の3’Hプロトン(CDCl中)の統一シグナルによる反応経過の測定をする前に得られる残渣をジクロロメタン−メタノール(98:2次いで95:5)混合のシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。
【0253】
混合物への、形成されたジスルフィド量の比/原料:
実験1:56/44
実験2:67/33
実験3:0/100
実験4:47/53
シリル化した開始反応物はあらゆる分解を受けない:シリル化スルフィド結合はフッ化物イオンの存在下において安定している。一方、反応はこのようにフッ化物イオンの存在下において加速し、一方臭化物イオンの存在下で減速する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式( I ):R1−S(O)−S(O)−R2
〔式中、
R1は、
一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示し;
R2は、
R1とは独立し、炭素基または一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなり、またxとyはxとyの合計が1に等しくなるような0および1から選ばれる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示す。〕
に対応する化合物であって、
式(II):R1−S(O)−R3−Si(R4)(R5)(R6)
〔式中、
R3は、
飽和、および/または不飽和、および/または置換された2つの炭素原子の炭化水素鎖を示し、
R4、R5およびR6は、
同一または異なって、それぞれ、互いに独立して、炭化水素基を示す。〕
の化合物であることを特徴とし、
式(VII):R2−S(O)−X(Xはハロゲンを示す。)
の化合物と反応することを特徴とする、調製工程。
【請求項2】
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物と、
式(VIIa):R2−S−X
の化合物、R1およびR2(同一または異なる。)が反応することを特徴とする、
式(III):R1―S―S−R2
のジスルフィド調製のための、請求項1記載の工程。
【請求項3】
化合物(IIa)がフッ化物イオンの存在下で反応することを特徴とする、請求項2記載の工程。
【請求項4】
化合物(IIa)からなる反応媒体中において、XまたはXCNの存在下で(Xはハロゲンを示す。)、
式(VII):R2−S−S−R2
の反応により
式(VIIa):R2−S−X
の化合物がin situで得られることを特徴とする、
式(III):R1―S―S−R2
に対応する化合物の調製のための、請求項2または3に記載の工程。
【請求項5】
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物が、
式(VIIb):R2−SOX
のハロゲン化スルフィニルと
反応することを特徴とする、
式(IV):R1−S−SO−R2
のチオスルフィネートの調製のための、請求項1記載の工程。
【請求項6】
化合物(IIa)がフッ化物イオンの存在下で反応することを特徴とする、請求項5記載の工程。
【請求項7】
式(IIb):R1−SO―R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物を得るために、
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物を酸化させ、次いで、
式(IIb)の化合物と、
式(VIIa):R2−S−X
のハロゲン化スルフェニルが反応することを特徴とする、
式( V ):R1−SO−S−R2
のチオスルフィネートの調製のための、請求項1記載の工程。
【請求項8】
化合物(IIb)がフッ化物イオンの存在下で反応することを特徴とする、請求項7記載の工程。
【請求項9】
フッ化物イオンが、フッ化アンモニウム、テトラブチルフッ化アンモニウム、トリエチルフッ化アンモニウムまたはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項3、6および8のいずれか1項に記載の工程。
【請求項10】
フッ化物イオンが、触媒量であることを特徴とする、請求項3、6、8および9のいずれか1項に記載の工程。
【請求項11】
式(III’):R1−S−S−R2’
〔式中、
R1は、
一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示し;
R2’は、
R1とは独立し、炭素基または一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示す。〕
に対応する化合物であって、
化合物(III)が請求項2および任意に請求項6、7および8のいずれか1項に記載の工程により得られ、次いで化合物(III)が
式:R2’−SH
の化合物と反応することを特徴とする、調製工程。
【請求項12】
式(VI):R1−S−S−R1
〔式中、
R1は、
一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示す。〕
に対応する化合物であって、
式(IIa):R1−S−R3−Si(R4)(R5)(R6)
〔式中、
R3は、
不飽和、および/または任意に置換されていてもよい2つの炭素原子の炭化水素鎖を示し、
R4、R5およびR6は、
同一または異なって、それぞれ、互いに独立して、炭化水素基を示す。〕
の化合物と、
式(VIIa):R1−S−X(Xはハロゲンを示す。)
の化合物
(前記化合物(VIIa)は、
式(VI):R1−S−S−R1
の化合物が得られる前に、ジハロゲン化物であるXまたはハロゲン化シアンXCNの存在下、in situで得られる)
が反応することを特徴とする、調製工程。
【請求項13】
化合物(IIa)がフッ化物イオンの存在下で反応することを特徴とする、請求項12記載の工程。
【請求項14】
フッ化物イオンが、フッ化アンモニウム、テトラブチルフッ化アンモニウム、トリエチルフッ化アンモニウムまたはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項13記載の工程。
【請求項15】
フッ化物イオンが、触媒量であることを特徴とする、請求項13または14に記載の工程。
【請求項16】
R1が、ヌクレオシドおよび修飾されたヌクレオシドから選ばれる分子残渣を示すことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の工程。
【請求項17】
R1が、リボヌクレオシド、2’−デオキシリボヌクレオシド、2’,3’−ジデオキシリボヌクレオシドおよび2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−デヒドロリボヌクレオシドから選ばれる分子残渣を示すことを特徴とする、請求項16記載の工程。
【請求項18】
S原子が、炭素とリボースの2’位または3’位で結合していることを特徴とする、請求項16または17に記載の工程。
【請求項19】
R2が、一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)任意に置換および/または中断されていてもよいアルキル基、アリール基またはアルキルアリール基から選ばれる炭素基を示すことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の工程。
【請求項20】
R2が、o−ニトロフェニル基、p−ニトロフェニル基およびトリクロロメチル基から選ばれることを特徴とする、請求項19記載の工程。
【請求項21】
R2が、2’デオキシリボヌクレオシド、3’−デオキシリボヌクレオシド、2’,3’−ジデオキシリボヌクレオシドおよび2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−デヒドロリボヌクレオシドから選ばれる分子残渣を示すことを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の工程。
【請求項22】
R3が、アルキル基を示すことを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の工程。
【請求項23】
R4、R5およびR6が、同一に、メチル基を示すことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の工程。
【請求項24】
下記式、R1−SH、R2−SHおよびR2’−SH
〔式中、
R1は、
一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示し;
R2またはR2’は、
炭素基または一種または複数の原子および/または一種または複数の原子からなる一種または複数の基により(前記原子とはN、O、P、S、Siまたはハロゲンを示すXから選ばれてなる。)置換および/または中断されていてもよい炭化水素分子の残渣を示す。〕
に対応するチオールから選ばれるチオールであって、
チオール
R1−SH
を得るための、
請求項2、3、4、9、10および16〜23のいずれか1項に記載の式(III)のジスルフィドまたは、
チオール
R2−SH
を得るための、
請求項12〜23のいずれか1項に記載の式(VI)のジスルフィドまたは、
チオール
R2’−SH
を得るための、
請求項11または16〜23のいずれか1項に記載の式(III’)のジスルフィドを調製する工程および、このようにして得られたジスルフィドを減少することを特徴とする、調製工程。
【請求項25】
ジスルフィドおよびチオスルフィネートの調製における中間体化合物であって、
2’,3’−ジデオキシ−3’−(2-(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 35、5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 36−1、2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 46、2’−デオキシ−3’−(o−メシル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 47、5’−o−(tert−ブチルジフェニルシリル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 48、N−4−ベンゾイル−3’−(o−メシル)−5’−(o−tert−ブチルジフェニルシリル)-2’-(2-(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 49、1−(3’−(2−(トリメチルシリル))エチルチオ)−β−D−キシロフラノース−1’−イル)チミン 52、2,2’−無水−5’−(o−ベンゾイル)−1−(3’−(2−(トリメチルシリル)エチルチオ)−β-D-キシロフラノース−1’−イル)チミン 53、2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 55から選ばれる、
式(IIa):R1−S−CH−CH−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物。
【請求項26】
R1が、
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシヌクレオシド基から選ばれ、
R4、R5およびR6が、
同一または異なって、それぞれ、互いに独立して、炭化水素基を示すことを特徴とする、ジスルフィドおよびチオスルフィネートの調製における中間体化合物である、
式(IIa):R1−S−CH−CH−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物。
【請求項27】
2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 14、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジン 54、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジン 18、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−5’−(o−tert−ブチルジフェニルシリル)−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 50、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオシチジン 19から選ばれることを特徴とする、請求項26記載の化合物。
【請求項28】
式( V )のチオスルフィネートの調製における中間体化合物であって、3’−デオキシ3’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオチミジンスルフォキシド 28、2’−デオキシ−2’−(2−(トリメチルシリル)エチル)チオウリジンスルフォキシド 32から選ばれる、
式(IIb):R1−SO―R3−Si(R4)(R5)(R6)
の化合物。
【請求項29】
R1が、
2’,3’−ジデオキシ−2’,3’−ジデヒドロヌクレオシドを示す、
式(III):R1−S−S−R2
の化合物。
【請求項30】
3’−デオキシチミジン−3’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 2、3’−デオキシチミジン−3’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 3、2’−デオキシウリジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 7、2’−デオキシシチジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 8、2’−デオキシウリジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 9、2’−デオキシシチジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 10、2’−デオキシウリジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 11、2’−デオキシシチジン−2’−イル 2−ニトロフェニル ジスルフィド 12、3’−デオキシチミジン−3’−イル プロピルジスルフィド 13、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル トリクロロメチル ジスルフィド 15、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル 4−ニトロフェニル ジスルフィド 16、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシチミジン−2’−イル 2−ニトロフェニルジスルフィド 17、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イルトリクロロメチル ジスルフィド 20、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル 4-ニトロフェニル ジスルフィド 21、2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イルおよび2−ニトロフェニルジスルフィド 22、2’,3’−ジデオキシウリジン−3’−イル メチル ジスルフィド 56、2’,3’−ジデオキシシチジン−3’−イル メチル ジスルフィド 57、5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシウリジン−3’−イル メチル ジスルフィド 58から選ばれる、
式(III):R1−S−S−R2
の化合物。
【請求項31】
チオスルフィネート 25からなる、
式(IV):R1−S−SO−R2
の化合物。
【請求項32】
チオスルフィネート 29、30および33aから選ばれる、
式( V ):R1−SO−S−R2
の化合物。
【請求項33】
アリル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 37、3’−デオキシチミジン−3’−イル 2−ヒドロキシエチル ジスルフィド 38、2−アミノエチル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 塩酸塩 39、ブチル 3’−デオキシチミジン−3’−イル ジスルフィド 40、3−デオキシチミジン−3’−イル ヘキシル ジスルフィド 41、3’−デオキシチミジン−3’−イル オクチルジスルフィド 42、3’−デオキシチミジン−3’−イル 6−ヒドロキシヘキシル ジスルフィド 43から選ばれる、
式(III’):R1−S−S−R2’
の化合物。
【請求項34】
下記ジスルフィド:
ビス(5−ブロモ−2’,3’−ジデオキシウリジン−3’−イル) ジスルフィド 36、ビス(2’,3’−ジデヒドロ−2’,3’−ジデオキシウリジン−2’−イル) ジスルフィド 45から選ばれる、
式(VI):R1−S−S−R1
の化合物。

【公表番号】特表2009−534448(P2009−534448A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507112(P2009−507112)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000691
【国際公開番号】WO2007/122333
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(502298435)ユニヴェルシテ・ジョセフ・フーリエ(グルノーブル・1) (9)
【Fターム(参考)】